2021年10月22日 決算調査特別委員会 総括質問

おばた健太郎 
 民主クラブのおばた健太郎です。よろしくお願いいたします。
 最初に、発達障がい児への支援ということで、(1)でSTEP UP教室についてということでお伺いさせていただきます。
 特別支援教室、STEP UP教室については、令和3年度までに、東京都が全校に設置をするということで、板橋区ではいち早く、令和2年度4月からもう小・中学校で、全校でスタートさせております。令和3年9月1日時点では、小学校で714名、中学校では206名という生徒が、今は教室に通っていらっしゃるということであります。
 早速ですけれども、STEP UP教室の現状、そして課題ですとか成果について、現在の認識をお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 STEP UP教室の現状、課題、成果についてでございますが、令和2年度から全板橋区立学校にSTEP UP教室を設置いたしまして、巡回指導教員による指導を自校で受けられるように体制整備をしてございます。自校で指導が受けられることにより、他校へ移動する負担を軽減するとともに、巡回指導教員と在籍学級担任等が適宜連携・協働が可能になりました。児童・生徒が抱える課題を、より効果的に改善することにつながってございます。
 一方で、入室した児童・生徒の指導目標についての十分な評価、これを課題と捉えております。改訂されました「特別支援教室の運営ガイドライン」に基づいて、児童・生徒の実態に応じた適切な指導を行ってまいります。

おばた健太郎 
 STEP UP教室が慣れた学校で通えるというところがメリットだというところなんですけれども、他地域におきましては、さいたま市や横浜市では特別支援学級が全ての学校にあるということなんですけれども、これ必ずしも固定級があることがメリットというわけでもないということが実はありまして、少人数のために集団で学習をすることができないとか、コミュニケーションに苦手意識を感じる子どもが多いために、通常級での訓練もまた必要だということもありまして、例えばですけれども、文京区が行っているからそっちに引っ越したけれども、実はそのお子さんが支援学級に逆に合わなかったとか、様々事例がありまして、今の制度の中でより拡充をしていくということが重要なのかなと思っております。
 そういった中で、現場の声としては、今、現状では週1日2時間ということなんですけれども、子どもによっては、やはり週に2回とか、3回とか、特別支援教室の中でも総量含めて柔軟に対応するというようなことが求められております。STEP UP教室、現状の中で、さらに例えば週2回、3回にするとか、時間を増やすとか、総量も含めた柔軟な対応を求めますが、見解を伺います。

◎教育委員会事務局次長 
 まず、STEP UP教室の状況についてお話しさせていただきますと、板橋区には区立学校が74校ございまして、特別支援教室の拠点校が19校設置されております。特別支援教室の教員は、巡回する学校を複数担当しておりまして、曜日ごとに異なる学校を巡回している状況でございます。あわせまして、巡回指導教員が巡回する際、STEP UP教室以外での児童・生徒の様子も観察しておりまして、STEP UP教室における、より効果的な指導に生かせるように、いろいろな工夫を行っております。
 STEP UP教室の柔軟な対応とのご質問でございますけれども、今後も学校全体で特別支援教育の充実を図ることで、教員同士の連携と指導の効果を高めつつ、STEP UP教室でよりよい在り方、柔軟な対応について研究してまいりたいと思います。

おばた健太郎 
 昨日だったか、別の委員で質問がありましたけれども、確かに担当の人数が10人に増えるとか、1年更新になるということに対する現場の不安の声というのは確かにありまして、私の下にも届いております。そういったところも踏まえて、インクルーシブな社会を目指すということであれば、子どもの様子を見て、少しでも適切な対応、制度設計を、ぜひ研究対応をしていただきたいということを要望させていただきます。
 続きまして、2番の心理検査ということでお尋ねをいたします。資料にも配付をさせていただいておりますが、こちら1ページ目のところが就学相談での検査の件数でございます。就学相談の件数は、平成30年度で、小学校で249人に対して30人、令和元年度が294人に対して26人、令和2年度が341人に対して32人ということで、検査の内容なんですけれども、ちょっと細かくなってくるんですが、認識の共有のために少し細かくお話をさせていただきたいと思っております。田中ビネー知能検査Ⅴというものと、WISC-Ⅳというものがあるんですけれども、こちらがこういった数、田中ビネーがこの30人とか26人、WISC-Ⅳについてはゼロというような形になっております。続きまして、子ども発達支援センターのほうでは、田中ビネー知能検査が58件、52件で、もう1個、新版K式発達検査というのがありまして、こちらが4件とか3件というような検査数になっております。
 小学校の就学児童、5歳とか6歳のあたりのお子さんが心理検査を行う際、田中ビネーというものとWISCっていうのと、K式っていう3つがあるわけなんですけれども、これがちょっと、私が知り合いの臨床心理士から伺って、私が作成した表なんですが、簡単に言いますと、田中ビネー知能検査が2歳から成人までなんですが、主に2歳ぐらいから主に使われているというもので、新版K式発達検査というものが、ゼロ歳から成人までなんですけれども、大体1.6歳、1歳6か月から6歳ぐらいをメインに検査を行うと、大体小学生に上がってからはWISC-Ⅳと呼ばれるものがあるんですが、大体これを使うというようなことになっております。
 現在のところ、このWISC-Ⅳ、就学相談における検査においては田中ビネーを使っていますよということなんですけれども、この年齢や状態によって、どのように使い分けているのかということについてお尋ねいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 教育支援センターの就学相談におきましては、大まかな知的水準を把握するのに適当であるということから、主に田中ビネー知能検査を実施してございます。WISC知能診断検査は5歳児からを対象としておりますが、田中ビネー知能検査に比べて内容が複雑で細かく、1回の検査に2時間程度を要するということでございます。そのため、未就学の発達面などの課題のあるお子様にとっては負担が大きいということ、また、5歳に満たない能力の場合は適切に評価することが難しいということで、就学相談においては田中ビネー知能検査を主に実施している状況でございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。WISC-Ⅳというのはどういったものですかといいますと、この4つの言語理解、あと知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度というものがありまして、この4つの発達段階で、発達に障がいがあるという方は、この4つが凸凹に成長していく。1つは非常に発達しているんだけど、1つはちょっと発達が遅れているというような凸凹がある状態を指しまして、田中ビネーはというと、実はその面においては使いやすいシンプルな判定なんですけれども、詳細が取れないということになります。ちょっと細かいんですが、田中ビネーの知能検査のやり方、これは資料にもありますが、ご覧いただければいいんですが、実年齢が3歳で検査をしますと、3歳を検査をして部分的に正解、全問正解しなかった場合1つ年齢を下げて2歳児のやつをやると、2歳児が全問正解すると、次は1個上の4歳をやって、これが例えば合ったり合わなかったりで、全問不正解になるまでやるという検査になります。
 実年齢に対して検査で丸になった年齢、実年齢を分母、それから検査でオーケーになった年齢を分子にして割合を出す。それがいわゆるIQということになるわけですね。IQというのは全体のそのお子さんに対しての発達度合いの数値は出せるんですけれども、先ほど言ったWISCのように、各分野を細かく分析することができないということがあります。
 ですので、実際に検査が取れるんであれば、WISCのほうを取ったほうがいいんじゃないのかなということになるんですけれども、そこでご質問なんですが、田中ビネーの検査方法、これ何で聞いてるかっていうと、地域によっては上のバツになるところまでやるのを、もうやらないで、途中でやめちゃうというようなケースがあるそうなんですね。それだと的確に発達の状態を判断し切れないのじゃないかなという懸念がありますので、その点の検査の方法について伺います。

◎教育委員会事務局次長 
 田中ビネー知能検査は、日本における代表的な知能検査の1つでございまして、検査を構成する問題は年齢に応じて分かれております。それを評価する手法を取るということでございます。田中ビネー知能検査の実施は、決められた手順で行うことになっておりまして、正確な精神発達年齢を算出するために、お示しいただいたとおり全問回答できなくなるまで実年齢を超えて、各年齢別の検査を実施するのが正当な手順であります。就学相談の際も、その手順にのっとって検査をしているところでございます。

おばた健太郎 
 分かりました、ありがとうございます。ただ、先ほどこの表でお示ししたとおり、ちょっと説明ができなかったんですが、新版K式という知能検査がありまして、こちらが全領域の発達指数を両域ごとにも、また全体でも見ることができるという知能検査の方式でありまして、このK式のKというのは、どうやら京都のKらしいんですけれども、関西のほうでは結構使われているということで、ぜひこちらのK式も実施していただきたいと思いますし、また、発達検査というのは、やっぱり5歳、6歳、就学前ということですから、そうするとWISCも取れると思いますので、田中ビネーももちろんいいんですけれども、WISCですとか、K式の使用もぜひご検討いただきたいなというふうに思います。
 続きまして、支援体制についてということで、先日も別の方で学校生活支援員についての質問がありましたけれども、生活支援員は現在のところ小学校で67名、中学校で16名で83名というふうに聞いております。STEP UP教室に通っているお子さんというのは、週に2時間STEP UP教室に通われるわけですけれども、残りの時間は通常級に通っていらっしゃるわけですね。そうすると、そこの中で様々な対応を取るというときに、この生活支援員の方が非常に活躍をしていただけるのかなというふうに思っております。
 ですが、この表にもありますとおり、条件、応募条件のところを見ていただきますと、介護福祉士、保育師資格もしくは教員免許状、もしくは職務経験を有する方というようなことが書いてあります。もう1面ご覧いただきますと報酬のところがありまして、日額の8,775円、6時間45分の場合ということで、介護福祉士ですとか教員免許状を有するという比較的難易度が高いといいますか、そういった方に対して報酬というところが見合っていないんじゃないのかなというふうに考えます。
 現場のお話を伺いますと、大学生でも誰かいてくれれば本当に助かるというようなお声もあります。実際に、例えば教室から飛び出しちゃったとかいうときに追いかけてくれる人ということもあると思いますので、必ずしもこのような応募資格である必要もないのかなというふうに考えます。そういった面で、生活支援員の条件緩和もしくは給与の改定について提案いたしますが、いかがでしょうか。

◎教育委員会事務局次長 
 生活支援員の募集につきましては、子どもたちにとってよりよい支援ができるよう人材を確保するために学校生活支援員の応募要件として、介護、保育、教員免許等の資格だけでなく、学校現場での実務経験、子どもたちとの活動経験も加味して募集を行ってございます。
 学校生活支援員の給与の見直しについては、現在の段階では難しいと考えておりますけれども、今後も幅広い分野からの人材確保が行えるように努めていきたいと思います。

おばた健太郎 
 条件については、ぜひ緩和を検討していただいて、現時点ではゼロの小学校が12校、中学校も11校ありますので、そういった学校に対しても全校に配置できるように条件面を含めて検討していただきたいと思います。
 続きまして、4つ目の教員のスキルアップについてということなんですが、先ほどご案内のありました特別支援教室の巡回指導教員の研修についてですけれども、現在、特別な資格は特に不要であるというふうに聞いておりますが、ご存じのとおり、STEP UP教室に通われる方は特別な配慮が必要なお子さんたちでありまして、そういった特別な教育、知識が、技能が必要になると思います。
 そういった点につきまして、現在どのような教育、研修を行っているのか、また、ケースごとに様々な困ったこととかあると思います。そういった情報共有についてどのように行っているのかをお尋ねいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 初めに研修についてお答えいたします。障がいのある児童・生徒一人ひとりのつまずき、困難さを把握しまして、個に応じた指導の工夫、改善を進めることができるように、特別支援教室巡回指導教員に対して、資質・能力の向上を図ることを目的に、様々な研修を行ってございます。今年度につきましては教育支援センターにおいて、外部の専門家を招いての研修を既に2回実施しておりまして、年度内にさらに1回の研修実施を予定してございます。このほかにも、特別支援教育における授業づくりについて、通常の学級、特別支援学級、特別支援教室の教員が一堂に会したオンライン研修も実施するなど特別支援教育の研修をより一層推進していきたいと考えてございます。
 また、情報共有、相談体制についてでございますが、東京都の研修会、巡回指導教員の研修会などで指導や支援について相談し合ったり、効果的な支援方法等の情報を共有したりするなど巡回指導教員の指導力及び専門性の向上を図ってございます。
 また、学校内では、ケースごとに困ったことがあった場合は、管理職、巡回指導教員、在籍学級担任、特別支援教育コーディネーター、特別支援教育専門員等によるケース会議というものを開きまして、情報を共有するとともに、具体的な支援を検討して、相談し合える場として機能させてございます。

おばた健太郎 
 研修だけでは、やはりスキルアップにはつながらないのかなと思っていまして、できれば実際の授業を見て、それをフィードバックするような場ですとか、あとは現在の様々な資格も、現在は私費で意欲のある方が、私費で資格を取得したりなさっているというふうに聞いています。そういった支援制度もぜひ検討していただきたいなと思っております。
 次に、先ほど来から申しておりますが、STEP UP教室、週2回その授業を行っているんですけれども、残りは通常の学級に皆さん通っていらっしゃるわけですね。そうすると、むしろ全ての教員がそういった特別支援に関する知識を持っていないと、通常の授業のときに対処できないということが懸念をされます。
 現実に、例えば聴覚に過敏を持っているお子さんが、イヤーマフって、耳があまり過敏に聞こえないようなものをつけてこられていても、それは何ですかと子どもが聞いたとしても、それに対して、それについては聞いちゃいけませんというような対応をしたり、適切な対応が取れていない事例というのがやはりあります。そういった事例も散見されますので、全ての教員に対して、こういった特別支援教育を行うべきと考えますけれども、現在の状況をお示しください。

◎教育委員会事務局次長 
 一部の学校におきましては、校内研修にて巡回指導教員が講師となって特別支援教育研修を実施しているところがございます。一方で、全ての学校における通常の学級を担当する教員への特別支援教室に関する理解と資質向上が喫緊の課題であると認識してございます。
 今後は、巡回指導教員を中心とした校内研修のみならず、オンデマンド配信等を活用するなど全教員に向けた特別支援教育に関する研修を検討して、教員のより一層の資質向上を図ってまいりたいと思います。

おばた健太郎 
 先ほど申し上げたとおり、研修だけではやっぱり聞いて、それを実践するっていうところまではなかなかいかないと思います。一部の学校では、特別支援の先生との勉強会をやっていらっしゃるとおっしゃいましたけど、今、ある種この瞬間も、教室での授業は行われているわけでありますから、喫緊の課題ということでありましたら、ぜひすぐに全校で勉強会を行うということを言っていただいて、できることから始めていただきたいなということを要望させていただきます。
 続きまして、2番のほうに向かわせていただきます。介護についてということで、少子高齢化が進む中での介護の必要性というのは、もちろん認識されているところなんですけれども、板橋区内での令和2年度の居宅サービスの様々な会社を見ますと、介護事業者の介護サービスで607社、介護予防サービスで482社、施設サービスとして32施設、地域密着型サービスとして131社と、重複ももちろんサービスですのでございますので、全体では750社程度というふうに聞いております。
 他地域もそうなんですけども、その多くが中小企業だと言われております。そういった事業者へのサポートといたしまして、板橋区介護サービス全事業所連絡会というのが平成25年からスタートしておりまして、当時145社が参加されていたというふうに議事録にあったわけですけれども、現在の介護事業者へのサポート体制について、そしてまた全事連の加入率とか、加入率の向上の方策等々について、お伺いをいたします。

◎健康生きがい部長 
 よろしくお願いいたします。板橋区内の介護事業所同士が連携する組織として、ご案内のとおり板橋区介護サービス全事業所連絡会がございまして、区といたしましても支援に努めているところでございます。また、集団指導の対象であります居宅介護支援・訪問・通所の事業者や区指定の地域密着型介護サービス事業者を対象に、機会を捉えまして情報共有などを行っているところでございます。今後も、引き続き地域における質の高い介護サービスの安定的な供給のために、様々な面から介護事業者のサポートを行ってまいります。
 加入率のお話がございました。ご指摘のとおり、区内の介護事業者全体の約2割弱に当たります150事業所ほどが板橋区介護サービス全事業所連絡会の会員ということでございます。組織率ということでは課題があると認識をしております。区といたしましても、引き続き活動など事業者間の連携については支援に当たっていきたいと考えております。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。全事連、大体現状ですと15%から20%ぐらいなのかなというふうに思っています。事業報告を見ますと、研修会ですとか交流会、周知活動等々、活発に活動していらっしゃるということは分かるんですが、全体の2割弱というところで、全事連だけではなくて、それ以外にも様々な横の連携ができるように、区としてサポートすることが必要であるというふうに考えております。
 そういった中で、東京都は区市町村介護人材対策事業費補助金がありまして、1区市町村当たり2,000万円ということで、補助率が4分の3ということですけれども、こちらの事業費について、板橋区はどういった分野で活用されていますでしょうか。

◎健康生きがい部長 
 板橋区におきましては、介護職員初任者研修課程受講料の助成、それから既存の従業員に対する介護サービスの研修、また、介護に関する入門的研修及び就労相談会、これら3つの事業でこの補助金を活用しているところでございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。こちらの事業費なんですが、メニューが16個ありまして、板橋区ではそのうち3つをお使いになっていると、合計では230万円余というようなところなのかなと思っていますけれども、こちら、スライドと、あとこの資料にも記載がありますけれども、管理者等に対する雇用管理改善方策普及・促進事業ということで、その中の事業内容として介護事業者による事業協同組合設立への支援というものがございます。事業協同組合というのは、事業者間の横の連携を行う組合でして、物品の共同購入ですとか補助金の活用、業務効率化、例えば中小企業ですとホームページがないとかいうこともありますので、共同でのホームページ作成、もしくは税制の優遇措置などがあります。
 お隣の豊島区の例なんですが、こちらの事業を活用いたしまして、豊島区中小介護事業者事業協同化支援事業補助金ということで、先ほどご紹介いたしました補助金を使っての事業協同組合設立に対する補助金の制度をつくっております。こちらは、設立する前の準備段階の団体に月5万円、最大で60万円、事業協同組合ができた後は月10万円、年間最大120万円というような助成金が出るような制度になっていまして、準備段階のときにお金を補助金でもらって、それで設立しなかったとしても返さなくてよいということがありまして、この制度を活用して、豊島区では無料の雑誌を発行したり、勉強会を行ったり、ハローワークとコラボして介護人材の説明会などを行っております。これは当然、東京都の補助金制度なので、協同組合をつくりたいと仮に言ったとしても、行政側がこの仕組みがないと活用できないわけであります。
 それを踏まえまして、この事業者の横の連携について、区としてどのようなサポートを行っているのか、お伺いいたします。

◎健康生きがい部長 
 中小規模の事業者が多い介護サービス事業者間の連携、協同につきましてはご指摘のとおり業務の効率化など経営支援の観点からも有益と考えております。区といたしましても、より最適な事業者間の連携につきまして、既存の組織の活用も含め、様々な角度から今後研究、検討していきたいと考えております。

おばた健太郎 
 この事業協同組合は、豊島区だけじゃなくて練馬区もあるわけでして、当然、事業者の側からこれをつくりたいというような声がないと、なかなか話も進まないのかなというふうにも思いますけれども、区としてサポート体制を、どちらが先かということもありますが、ぜひ、こういったサポート体制を今後も研究して整えていただきたいというふうに思います。
 続きまして、2番ですが、選択的介護についてということで、こちらは、選択的介護という言葉なんですが、介護保険制度が始まってから20年以上たちますけれども、平成30年に厚生労働省が介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについてという通知が出ました。要するに、介護保険サービス外の部分のサービスについて、積極的にやっていきましょう、併せてやっていきましょうということなんですけれども、また豊島区なんですが、豊島区で実証実験といたしまして選択的介護モデル事業というものが令和2年度まで行われまして、先日、その報告書が出てまいりました。
 今年度も継続されているんですけれども、主に居宅内と居宅外と、そして見守りという3つのサービスがありまして、具体的に言いますと、例えば介護保険で訪問介護やリハビリを行っている、選択的介護の部分で、例えばというか、実例なんですが、スマホの初期設定を行ったとか、あと、訪問介護の中で、選択的介護の部分でペットの世話をしてもらったとか、はたまた日用品の買物ですとか、そういった介護保険ではサービスの中でできない部分を、選択的介護と併せて行おうという制度でございます。当然ながら、クオリティー・オブ・ライフが介護を受ける側にとっては上がっていくのかなというふうに考えておりますけれども、現在の区の選択的介護についての認識を伺います。

◎健康生きがい部長 
 介護保険給付の対象外であります日常生活での家事の範囲を越えるようなサービス提供の希望に対する相談など、事業者からの相談事例も幾つか区のほうに寄せられているところでございます。ご案内のとおり、選択的介護への需要が存在するものと、区としても認識をしているところでございます。

おばた健太郎 
 現場の豊島区の事例というか、現実を伺いますと、なかなか難しいというような部分もあるということは聞いているところではあります。また、ケアマネジャーさんの負担が非常に大きいですとか、値段設定をどうすればいいのかとか、もしくは集金の方法ですとかいうことが、課題として当然に挙げられるのは、認識はしているんですけれども、今後、単身でお暮らしになる方々が増えていくということも考えていくと、方向性として検討は必要となってくるのかなというふうにも思っております。こちら、資料を付けさせていただいてますけれども、現在、こういった補助金制度も、用意がされているということでありますので、ぜひ検討していただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◎健康生きがい部長 
 今後、サービス利用者や介護事業者の需要や実施における課題について分析させていただきまして、最適な介護サービスの供給に向けて、他の自治体の動向などに留意しながら、検討してまいりたいと思います。

おばた健太郎 
 課題は大きいというのはあるんですけれども、今後の方向性、国もこちらを進めていきたいということもありますんで、ぜひ研究検討していただきたいなと思っております。
 この項はこのぐらいにさせていただきまして、3番のほうにいきたいと思います。行政評価ということで、過去の企画総務委員会でも何度か取り上げさせていただいておりますけれども、行政評価、板橋区として取り組んでいただいているというのはよく認識をしているところですけれども、非常に評価がなかなか難しい部分なんですが、こちらが行政評価の2ページのところで、基本目標があって基本政策がある、施策があって、事務事業があるという形になっていまして、現在は68施策、そして事務事業が698で、その中で評価対象が114個あるよということなんですが、これを拝見しますとなかなか難しい。一つひとつの評価がちゃんとつながっているのかなというところが見えづらい部分があるのかなと思っております。
 まずは、この施策と指標、そして事務事業との関係性について、お伺いいたします。

◎政策経営部長 
 よろしくお願いいたします。現在の区の行政評価の制度、対象については、今委員のほうからお話があったところでございます。
 関係性でございますけれども、事務事業の評価を行った上で、その総合的な評価が施策評価の結果に反映されておりますが、施策評価につきまして、どの事務事業がどのような影響を及ぼしているかの関係性が明確でないものも中にはございます。
 このため、令和3年度からは、試行的な取組としまして、施策の全体像を把握するとともに、事務事業と施策の間を補完する中間アウトカムを設定し、施策と事務事業の関係性をより明確にできるようにするための施策展開シートというシートを作成したところでございます。今後、この施策展開シートの精度を高め、施策と事務事業の関係性の明確化を含め、行政評価の充実に努めてまいりたいというふうに思います。

おばた健太郎 
 今ほど、関係性がなかなか難しいというようなお話があったと思うんですが、お配りした資料の120500、いじめ問題・不登校対策等の推進というところがありまして、ちょっと見ていただきたいんですけれども、こちらが施策の評価ということになって、この中に指標の推移っていうので5個あります。この次のページというか、右のページですね。この施策表の中に、1から5までの5個の事務事業がくっついていますよということになっているわけですね。この事務事業の中の1個の120500-002の教育支援センター相談事業経費というのが、こちら後ろのページに書かれてある評価という形になっておりまして、単純にこれを見ましても、このそれぞれが先ほど申し上げた基本政策や施策、事務事業という流れにちょっとつながっていないのかなというふうに見て取れるわけです。
 あまり個別のことを言ってもあれなんですが、この120500-002の教育支援センター相談事業経費の、例えばフルコストの把握っていうところで、報酬額が23区最低水準なんだけど、低コストで運用できてるよって、何かまるでいいことのようにA評価がついてるとかいう、各事務事業のAとかBっていう評価、これがそのまま上にきちっとつながっていないのかなというふうに思っております。この辺については、また後でお話ししたいと思いますけれども、内部評価が、今はこの内部で評価をしているわけですよね。
 それに対応するように、外部評価として板橋区行政評価委員会というのがありまして、9名で構成されて、68施策を6年間で評価する仕組みになっているわけでありますけれども、この行政評価委員会の指摘ですとか、外部評価委員会の意見ですとか、こういったものをどのように次の施策に取り入れていくのか、そのプロセスについてお尋ねいたします。

◎政策経営部長 
 行政評価委員会の外部評価結果への対応につきましては、行政評価シートに前回の評価結果への対応状況を記載する欄がございまして、その内容により対応状況を確認することができます。また、今年度の外部評価結果でいただいた評価指標に関するご指摘に対応するため、政策経営部と各主管課とで評価指標の見直しを行い、現在、行政評価委員にその評価指標を確認していただいておりまして、その結果を踏まえ、評価指標を改善してまいりたいと考えております。
 さらに、外部評価では1施策ごとにヒアリングを行っておりますが、複数の施策に関わるものもあり、横断的にヒアリングを行いたいとの意見がありましたため、幾つかの施策をまとめてヒアリングを行う、こういったことも検討しているところでございます。

おばた健太郎 
 内部評価に加えて、この外部評価というのは非常に重要な指標になるのかなと思っております。それに加えて、資料にもお配りしておりますけれども、こちら行政評価のシートの中で、板橋区が結構特徴的な指標として挙げられておりますのがフルコスト構成割合というところなんですが、これは非常に収入と支出、この割合ですとか、そういったものが見やすく出ているので、非常によい指標で、これからも継続していただきたいなと思っているんですが、唯一残念なのは、委託料が例えばあいキッズで言うと、92%と94%って大半を占めていて、中身がよく分からないという、これだとなかなか評価がしづらいのかなというふうに思います。そしてまた評価をする際には、当然、この板橋区だけではなくて、他区の状況も当然比較対象としなければ、他区と比較して突出して板橋区が高いのか低いのか、適正に運用されているのかというのが分からないと思います。こちらの行政評価について、例えば業務委託しなかった場合のコストとか、他区での比較などの検討材料を導入するべきと思いますが、いかがでしょうか。

◎政策経営部長 
 委員のほうからご紹介いただいた、こちら事業別評価シートと称しておりますけれども、この事業別評価シートは、昨年度初めて4つの事業分を作成し、今年度は10事業に拡大したところでございます。事業別評価シートは、今後も精度を高めていく予定でありまして、フルコストの構成内容についての精査やご指摘の業務委託しなかった場合のコスト比較など、取り入れることが可能なものは検討した上で改善したいと考えております。
 また、事業別評価シートは、23区で同様のものを作成している事例は今のところ見られませんが、他自治体と比較することで様々な分析ができると考えておりまして、他自治体の動向を注視しながら、可能となった時点で自治体間比較を行いたいと考えております。

おばた健太郎 
 ぜひよろしくお願いいたします。非常によい試みだと思いますので、進めていただければと思います。それで、先ほど少し申し上げた指標というものについてなんですが、お配りしたシートの施策評価表、いじめ問題について、例えばこの指標の推移というところをご覧いただきたいんですけれども、一例でこのことを申し上げますが、例えば、この指標として不登校児童出現率ですとか、不登校児童学校復帰率ということがあるわけですけれども、この指標を提示する際に、前提として全員が不登校が出現しないことがよいことであるということが、暗黙にこの目標として出ていると思うんですね。
 例えば、基本政策が魅力ある学びの支援ということがゴールだとするならば、多様化された社会では、必ずしも学校に行くことがゴールではない場合があると思います。そうした場合には、例えばですけれども、不登校児童・生徒のフリースクールの出席率だとか、区内のフリースクールの数だとか、そういった様々な指標というものが考えられると思います。
 このほかにも、後ろのほうに資料で付けさせていただきました部分ですけれども、例えば、一番最後の都市農業の支援と農の活用の部分ですね。例えばこちらを評価するときに、この③の区民農園用地面積という、この面積の数というのをどう評価すればよいのかということになると思います。この基本計画、施策の産業活力というのをゴールだと考えたときに、例えば、これも満足度であるだとか、様々な指標というものが考えられると思います。
 右のコミュニティバス事業のほうに行っていただきますと、ちょっと字が細かいんですが、環境変化のところで、例えば他区との事例で23区中19区がコミュニティバスを実施していると、これ先ほど提案いたしました他区との比較ですね。ここには載せていないですけれども、産業の1位、2位っていう、1位を目指すというような指標もございました。
 こういったように、評価項目そのものの評価というものが必要だというふうに思うんですが、その認識をお伺いいたします。

◎政策経営部長 
 評価項目、評価指標のことだと思いますけれども、行政評価におきましては、適正な評価を行うために、評価指標として何を設定するかが大変重要な要素であるというふうに思います。評価指標は見直しをした上で、随時加えることが可能でございまして、これまでも評価指標は適宜追加をしております。
 委員のほうからご指摘がありましたとおり、施策に関する指標につきましては10年間の基本計画を定めたときに施策指標として、ある程度10年間を見ていく指標として定まっております。それは結果を見ていかなければならないところでございますけれども、こちらのほうも、適宜追加することはできますし、事務事業のほうの評価指標については、それこそ状況、状況に応じて適切なものを設定することができますので、そういったもので改善していきたいというふうに思います。委員のほうからもお話がありましたとおり、基本目標、基本政策、より上位の目的から見ていって、適切な指標というものを今後も検討していきたいというふうに思います。

おばた健太郎 
 ぜひ検討していただきたいと思いますが、最後にというか、ご紹介なんですけれども、こちらは自治体評価の戦略という本から引用させていただいたんですけれども、1つの、この図で言う右側の治安、これは治安の部分も評価の対象にしているわけですけれども、治安の改善というのがゴールだったとしたときに、様々な施策を行ったときの点線で囲まれた部分が指標ということになります。例えばですけれども、こういったロジックモデルを庁内で検討していただくことによって、この評価が一体どこの評価をしているのかなということも含めて、こういった指標を検討していただければなと、ただ評価するだけではなくて、政策判断につながるような評価をしていただきたいなというふうに思っております。
 最後に、今ほど68施策について外部行政評価委員会が10施策程度ごと評価して、6年間で評価するということでしたけれども、現在の昨今の状況を見ますと、6年前には今のようなコロナの状況が起こるということは予想していなかったわけですし、また今後、様々に、大震災等が発生することが、様々なことが発生する可能性があります。68施策については毎年評価検討するということをしていただきたいということを提案いたしますが、いかがでしょうか。

◎政策経営部長 
 現在のやり方としましては、6年間で外部評価のほうを行い、68施策の評価につきましては、実施計画の改訂等のタイミングで評価を行うという内容になっております。行政評価のやり方につきましては、各所管課の評価に係る作業のどれだけこの作業に関われるかと、そういったところも負担の部分とか、そういったことも考えながら行っているところでございまして、現在は、こういったことで全ての施策、全ての事務事業を毎年行うというやり方ではやっていないところでございますけれども、今委員がお話がありましたとおり、できる限りそのとき、そのときの評価を、それぞれの業務の改善に資するようにしていくということの趣旨は大事な考え方でありますので、今後も評価制度自体の改善に努めていきたいというふうに思います。

おばた健太郎 
 行政評価、ただやっているだけではなくて、もちろんただやってるわけじゃないと思いますけれども、事務事業の改善と、そしたまたアカウンタビリティーの向上という2点があると思いますので、しっかり評価することが区政への信頼向上につながると思いますので、今後もしっかりと取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、私の総括質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。