2020年10月23日 決算 総括質問

おばた健太郎 
 民主クラブのおばた健太郎でございます。初めての総括質問で、若干緊張しておりますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速質問に移りたいと思います。
 まずは、防災について伺います。
 昨年の台風15号、19号や、またいつ起こるか分からない震災に備えて、今、震災に強いまちづくりということで、板橋区も様々な施策を実施しているところでございます。また、警察署、消防署、消防団、各省との連携や、またコミュニティ防災として、区民消火隊や町会自主防災組織、また区民防災大学における防災リーダー、防災士などとの連携も非常に重要であるというところは認識しているところでございます。いざ災害が起きたときに、連携して機動的に活動できるかという点が非常に課題であるというふうに認識しております。
 そこで、今回、特に区民防災大学と防災リーダーについて伺いたいと思います。
 防災リーダーの講習テキストの5ページのところに、生き埋めや閉じ込められた際の救助ということで、阪神大震災のときの例が書かれております。自助、自分で脱出したというのが34.9%、家族が助けてくれたというのが31.9%、隣人、友人、知人が助けてくれたというのが28%、通行人が2.6%ということで、救助隊やそれ以外の人が2.5%ということで、防災に関しましては、特に自助と共助という部分で97.5%、公助という部分で2.5%が実際に救助のときに力を発揮したという結果が出ております。
 そういった意味で、震災が起こった際には特にコミュニティ防災が重要ではないかというふうに考えられております。今年度に関しては、コロナウイルス感染症対策の影響によって防災大学はなかなか行われていないというふうに聞いておりますけれども、まず改めて区民防災大学と防災リーダーの意義や役割について見解を伺います。

◎危機管理室長 
 よろしくお願いいたします。
 区民防災大学は、地域防災の要となる防災リーダーを養成するとともに、防災の知識、技術を普及し、災害時だけでなく、平常時から住民の防災意識を高めていくことを目的としておりまして、地域防災力向上に欠かせない事業であると認識してございます。3つのコースがございまして、防災リーダー養成コース、防災個別コース、防災指導者コースに分かれておりまして、防災リーダー養成コースでは、防災リーダーとしての役割を理解し、防災に関する基本的知識の習得、あるいは心構えを学ぶもので、修了者を防災リーダーとして登録してございます。このほか、防災個別コースでは、防災資器材の取扱いや要配慮者への対応など、また防災指導者コースでは、応急手当講習会の指導者を育成しているところでございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。
 平成30年の行政評価委員会で、地域防災の支援という項目につきまして、行政評価委員会のほうからも板橋の防災は非常にレベルが高いと。防災センターもあるし、Ready-Goリストを作っていると。一方で、防災リーダーについては課題があるというふうに指摘がされております。防災リーダーをどのように活用していくのか現状でははっきりしていない。曖昧であると。したがって、防災リーダーを様々な関連した催しや事業に参加させることで、その存在を知ってもらうと同時に、自助として区民の力を防災リーダーとしての力をやはり発揮していただくというのが重要ではないかというようなご指摘があります。今おっしゃったとおり、区民防災大学や防災リーダー、非常にこれからも必要な力であるというところとともに、ご指摘もあるというところでございます。
 次に、防災リーダーと町会との関係についてまず伺いたいと思うんですけれども、コミュニティ防災としては、やはり町会の力は非常に大きいかなというふうに思っておるんですけれども、防災リーダーに関しまして、町会から送られた方、また町会以外からご一緒された方はどれぐらいいるのかということと、また、この防災大学を卒業された防災リーダーの方はその後どのように活躍されているのかということをお伺いいたします。

◎危機管理室長 
 防災リーダーに関するお尋ねでございますけれども、防災リーダーのコース、先ほど養成コースと申し上げましたけれども、こちらは各町会・自治会から推薦された受講者と、その他マンションなどの自主防災組織の構成員等の受講を希望する者につきまして、広報紙などを通じて募集しているところでございます。この防災リーダー養成講習の受講者数の合計でございますけれども、平成29年度から令和元年度まで合計で申し上げますと442名ということでございます。このほとんどが約9割の方が町会・自治会からの推薦者ということで、残り10%、44名の方が推薦外で、自主希望して参加されている方でございます。この防災リーダー養成コース受講者につきましては、先ほど申し上げましたけれども、防災リーダーとして各住民防災組織の中で活躍をいただいているという状況にございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。
 この防災リーダーなんですけど、ほとんどが町会の方ということで、町会と密接に関係をしているというところでございます。また一方で、町会の加入率が過去の議事録を見ますと49%ということで、町会に加入していない方も非常に多いということが現実であります。大きな震災が発生した際には、町会加入者、未加入者関係なく当然災害は起こりますので、町会以外の方にも防災リーダーになっていただきたいという促進をしていただきたいというふうに思っております。
 そして、防災リーダーのその中身についてなんですけれども、こちらがこの防災リーダーの講習のテキストの41ページになるんですけども、これは実際に防災リーダーになったら、そして災害が発生した際にどのような活躍を期待されているかということなんですけれども、これはなかなかレベルが高いことが書かれておりまして、初動体制に入ると、住民の安全確認や要配慮者の安全確保、住民とともに町の警戒を強め、引き続き救助、消火活動と、様々、負傷者の応急手当てですとか、住民、区と協力し避難所の運営に当たるということで、非常にレベルの高いことが期待をされているわけです。
 一方、この講習は9時半から11時半の2時間ということで、これはなかなか内容に対して非常に多くのことを期待されているのかなというふうに感じております。今、防災リーダーというのは、講習を1度受けたらこのリーダーになれるわけなんですけれども、私自身も応急手当ての指導員等を持っておりますけれども、内容は毎年少しずつ変わって、例えば心肺蘇生法ですとか、胸骨圧迫ですとか、様々なものが変わってまいります。また、スタンドパイプが街角に設置されるとか、またスタンドパイプをいきなり使えと言われてもなかなか使うことができません。新しい情報がありますので、防災リーダーに関して1度の研修ではなくて、繰り返し研修が必要だというふうに感じておりますが、見解を伺います。

◎危機管理室長 
 委員ご指摘のとおり、心肺蘇生のガイドラインの見直しですとか、新たな資器材の導入に対応するほか、防災リーダーが能力を維持するために講習を再度履修していただくことは有効であると考えているところでございます。区民防災大学の内容につきましては、毎年最新の情報を反映しているところでございまして、今後防災リーダー登録者に再履修の有効性を示しながら、受講勧奨を進めていく所存でございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。再講習についてぜひ検討していただきたいと思います。
 それで、2時間の再講習をしていただいて、最新の情報をアップデートするというのは大変いいんですけれども、これはまた、今3つのコースの中で、個別コース、自由に受けられるようになっているというふうに伺っております。期待されている防災リーダーの行動に対して様々なことを経験していかなければいけないというふうに思っております。例えば、防災リーダーを受けましたと、その後応急救護を受けましたと、その後例えばスタンドパイプの使い方を習いましたというふうに、一つひとつアップデート、スタンプラリーのように判こを押して、例えば4つ集まったら、板橋防災、防災士という言葉は使えないですね、板橋マスターとかですね。何でもいいんですけれども、こういった証明書を与えるというようなことで、意欲継続ですとか、また技能を高めるということが有効なのではないかなというふうに思っております。これは防災リーダーの講習を受けると頂けるベストなんですけれども、これは町会の防災の方は皆さん着ていらっしゃると思うんですけれども、表の左側にちょうど証明書を入れられるようなポケットが今ついておりますので、ぜひこの防災リーダーに関して継続的に学ぶ仕組みを構築していただいて、何か証明書とか、こういったものを発行するということを提案いたしますけれども、ご見解はいかがでしょうか。

◎危機管理室長 
 こちらのように、防災リーダー講習修了者の方にはベストを配布しております。地域での活動の際に着用していただくことで、防災リーダーであることが地域の方にも分かるような形にしているところでございます。受講修了者の意欲を維持するため、証明書を発行することも一つの方策と考えるところでございますが、さきの答弁で述べましたように、再度履修を想定した講習体系とした場合は、どの時点で証明書を出すかというところも課題が生じるものというふうに認識しているところでございます。防災リーダーを含め、修了者の自覚を高めて意欲を維持するためには活用の場を増やすことも重要と考えておりまして、関係者の意向を踏まえながら、今後検討を進めていく予定でございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。ぜひ検討していただきたいなというふうに思います。
 今ほど答弁の中でありましたけれども、防災リーダー、町会との関わりが非常に強くて、なった方がなかなか活躍できる場がないのかなというふうに考えております。そこで、ご提案ですが、総合防災訓練などで活動の場を設けるなど、防災リーダーが活躍できる場が必要だというふうに考えますが、ご見解を伺います。

◎危機管理室長 
 防災リーダー講習修了者は、町会・自治会のほか、マンションの自主防災組織など、防災活動の中心となり活躍していると承知しているところでございますけれども、これらの組織に属さない一部の方の活動機会を設けることは課題の一つであると認識しているところでございます。総合防災訓練では広く一般参加者を募っているところでございまして、こちらへの直接参加を呼びかけるほか、受講の修了の際に、個別に修了後の活動内容の意向、こういうものを確認するなど、活動場所の創出に向けて私どもも検討していきたいと考えてございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。行政評価委員会も、機動的に動ける防災リーダーがいれば非常に防災に強い町だという評価もありますので、ぜひ検討していただきたいと思います。ありがとうございました。この項は終わりたいと思います。
 続きまして、学校ICT教育について伺いたいと思います。
 こちらのスライドは、前回の9月28日の文教児童委員会の資料をちょっとアップで表示させていただいております。GIGAスクール構想ということで来年度からいよいよ始まる非常に大きな事業だというふうに認識しておりますけれども、今のこういった計画、一旦お示しをいただいたんですけれども、改めて現状の状況、あとICT支援員、またICT推進リーダーの育成状況等について現状をお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 現在のまず状況でございますけども、ご説明したとおり今のところ順調に進んでおります。来年度の9月本格実施に向けて準備を進めているところでございます。現在、ICT支援員につきましては、各校45台のタブレットパソコンに対しまして、中学校が月1日、小学校が月2日の派遣となってございます。GIGAスクール構想に基づき1人1台のタブレットパソコンが配備されれば、大幅に活用頻度が高くなることから、教育委員会としましては、ICT支援員の派遣回数を国基準に準拠して週1回、月4回の派遣を、大規模校につきましては週2回、月8回に増やすよう関係部署と調整を行っているところでございます。
 それから、ICT活用推進リーダーの件でございますけれども、来年度以降も引き続き各学校において指名していただき、学校におけるICTの活用を促進していくよう依頼していく計画でございます。ICT活動推進リーダーになる教員につきましては、今後、クロームブックやグーグルのG Suite for Education、学習総合ソフトの活用策など、新たなスキルが求められることになりますので、学校内でのICT活用のリーダーとしての役割を十分に担えるように、ワーキンググループからの活用事例をフィードバックすることや、研修の充実を図るなどスキルアップを支援していく予定でございます。

おばた健太郎 
 ICT支援員は、今、都の助成事業の中で4校に1人というところで、これは非常に少ないのかなということはご指摘をしておきたいと思うんですけれども、やはり特に最初のときに、様々なシステムを入れるときは一番最初が一番トラブルが多いわけですから、それが4校に1人だと、トラブルが頻発するなというふうに思っておりますので、順調だということですけども、一応ご指摘をさせていただきたいなと思います。また、ICT活用推進リーダーですけれども、これはICT活用推進リーダーが非常に逆に多忙になるのではないかなというところも非常に懸念しているところではあります。
 取りあえず次の質問に移るんですけれども、教育支援センターのサポート体制についてということで、様々なサポートが必要となるというふうに思うんですけれども、具体的にどのような体制で対処していくのかお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 タブレットパソコンが配備されてからは、当面は教員もクロームブックや新たな総合学習ソフトに慣れるのにある程度の時間を要し、サポートが必要なことは自明でございます。そのために、タブレットパソコン配備当初に、グーグルのスタートプログラムを活用した研修を実施するとともに、各種マニュアル、グーグルや総合学習ソフトなどのサポートセンターの一覧やQ&Aなどを作成、配付してまいりたいと考えてございます。
 教育支援センターにおきましても、電話等で問合せに対応していくほか、タブレットパソコンの活用方法につきましては、ワーキンググループにおける成果の共有や随時研修を実施するなど、様々な手法を用いて教員のサポートを行っていく考えでございます。

おばた健太郎 
 今ほど少しご答弁ありましたけれども、マニュアルですとか、QAサイト、トラブルシューティングですとか、対人のヘルプデスク、そういったものが非常に必要になってくると思いますので、万全の体制を取っていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、先ほどICT活用推進リーダーについてのお話が少しありましたけれども、実際に今9月から、ちょっと切れていますけれども、ワーキンググループが始まっているというふうに聞いております。実際に、各学校で実際の授業での活用方法や指導内容について、どのように、スキルトランスファーといいますか、情報伝達をしていくのか、そのスケジュールについてお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 ワーキンググループ委員会につきましては、令和2年10月、今月からですね、令和3年9月まで月に1回程度の開催を予定してございまして、今後、先行して端末を導入する小学校1校、中学校2校におきまして、委員会において検討した事項の実証を行いまして、来年9月の校内での使用開始に向けて、より具体的な活用方法の検証を実施する予定でございます。
 また、ワーキンググループの中で、同様に児童・生徒1人1台の端末を本区に先行して導入している近隣区の視察を検討しているところでございます。さらに、授業におけるタブレット活用方法の実践例やクラウド利用のノウハウをまとめ、各学校へ周知するなど、導入当初から混乱せずに使用できるよう準備を今進めているところでございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。以前のご答弁の中で、今後の学校教育が変わることですというふうにおっしゃっております。そしてまた、年間20億というランニングコストが非常に重くのしかかってくるのかなというふうに思っております。これでスケジュールを見ますと、来年9月ということなんですけれども、年間で20億のランニングコストがかかって、4月から9月まで本格導入をしないということになりますと、これ、約8億ぐらい、ランニングコスト無駄遣いとまでは言わないですけれども、渋滞になってしまうのかなというふうに思っております。教育が変わるということですので、そのICT推進リーダーですとか推進員、もっと活用していただいて、4月からできれば全校で活用できるような体制をぜひ取っていただきたいなというふうに期待をしております。
 最後に、耐用年数ということについてお伺いをしたいんですけれども、今、今回クロームブックを入れるということですけれども、導入費用も巨額な上、ランニングコストも非常にかかってしまうということもあります。さらにICT化におきますと、その機器に対するラーニング、学ぶ時間も必要になってくるのかなというふうに思っております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、今後に向けて早め早めの対応が必要となってくると思います。今、かなりこれでも急いでスケジュールをつくっていただいたのかなというふうには思うんですけれども、早め早めの検討が必要だと思いますけれども、ご見解をお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 まず、スケジュールでございますけども、確かに学校で使用できるのは、来年、外のサイトとつなぐのに来年の工事になってございますので、学校で使用するのが9月ということでございますけれども、その前に端末が入るのは今年度末を全て目指してございますので、その段階で家庭等で使えるように今準備を進めているところでございます。したがいまして、その間は全て無駄になるということでは決してございません。あくまでも学校で使える環境が完全に整うのが9月ということでございますので、その辺は入った段階ですぐ使えるような環境をなるべく早く整えてまいりたいと思ってございます。

おばた健太郎 
 子どもが使うわけですから、しっかり子どもが使える環境にしていただかないとしようがないと思いますので、よろしくお願いいたします。ちょっと1個資料を飛ばしてしまいましたが、こちらがICT支援員4校に1人配置という文部科学省の資料でございます。
 続きまして、次の項に移りたいと思います。
 アクティブラーニングについてということでご質問いたしたいと思います。
 こちらは、「アクティブラーニング 学校教育の理想と現実」という、小針誠さんという方の新書から引っ張ってきたものなんですけれども、教育の現場に長く携わった方が多くいらっしゃる中でこういった話をするのは少し釈迦に説法的なところがあるかも分かりませんけれども、確認のために一応お話をさせていただきたいかなというふうに思います。
 この図が何を示しているかというと、戦後の教育というのがいわゆる態度重視と知識重視というのが振り子のように行ったり来たりしていましたよということを示しておりまして、戦後の一斉授業から、またその後、経験主義の批判から、知識、技能のほうに1968年の答申でまた変わっていったと。そしてまた、その後、新幹線授業というような批判ですとか、7、5、3、小学生が7割、中学生は5割、高校生は3割しか理解していないぞというような批判もありまして、1977年から教育の人間化、新しい授業、集団学校づくりというような動きになってまいりました。そして、1989年に、いわゆる平成の最初ぐらいから、自ら進んで学び考える力という指針が出されまして、その後、新しい学力、生きる力、ゆとりと厳選、確かな学力というような標語が出た上で、2010年にアクティブラーニングという話になってまいりました。アクティブラーニングという、この主体的に学ぶということは、1989年の頃からずっと日本の教育の課題ということになっているのかなというふうに理解しているんですけれども、アクティブラーニングの改めてその意義と現状に対する認識をお伺いしたいと思います。

◎教育委員会事務局次長 
 アクティブラーニングでございますけれども、児童・生徒がこれからの時代を力強く生き抜くために求められる、これは知識、技能と言いましたけれども、知識、技能ではなくて、何を知っているかではなく、何ができるかという、資質・能力を身につけ、かつ社会の変革に対して生涯にわたって学び続けることができるよう、学習の質をより一層高めるために、アクティブラーニングによる授業改善を推進することが重要であると考えているところでございます。
 アクティブラーニングにつきましては、ご紹介がありましたとおり、80年代からまた主体的・対話的で深い学びとして学習指導要領にも位置づけられてございまして、これまでも区立学校の授業の中で問題解決や協働学習などとして行われてきたものでございます。教育委員会では、各学校で実践されてきたこれらの取組を生かしまして、平成27年度に板橋区授業スタンダードとして示し、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業革新を推進しているところでございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。
 一方でまた、このアクティブラーニングについては、デメリットですとか、失敗例といったところも挙げられているところだと思います。例えば、授業の進行に時間がかかるであるとか、確実な評価を下せないですとか、グループ内でいさかいが、いさかいという場合もありますし、また中学年、高学年から中学生になりますと、人間関係のほうが重要になってきますので、むしろ議論を進めない、優しい議論になってしまうというようなところが挙げられております。また、基礎的な知識がそろっていないと議論が進行していかないですとか、リーダー的な人が議論を引っ張ってしまうだとか、様々な課題も山積しているのかなというふうに認識しております。その上で、現在の課題と感じていることをお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 先ほどもご説明いたしましたが、板橋区授業スタンダードの中で、アクティブラーニングを踏まえた授業を行ってございます。板橋区授業スタンダードでは、1単位時間の学習の流れが児童・生徒に分かるように、学習の目当てや狙いを提示し、自ら調べ、課題を発見し、協働学習によって解決策を導き出すという時間を確保するなど、具体的な取組を示しているものでございます。
 その一方で、板橋区授業スタンダードにつきましては、基本的な学習の流れを示したもので、画一的な授業とならないように、教員が授業の目的や児童・生徒が持つ個々の特性や文化など多様性を尊重しつつ、それぞれの実態に合わせて工夫をすることが重要であり課題だと思ってございます。
 それから、これまでと授業のやり方というか、価値観が変わってきますので、先ほどもご紹介ありました評価等の問題もございます。ただ、いろいろとご紹介があったんですけれども、アクティブラーニングの中には、最終的には人間性の涵養ということも含まれてございますので、それらも含めて板橋区授業スタンダードの中で養っていきたいと思ってございます。

おばた健太郎 
 様々な課題もある中で、この授業スタンダードで示しているというようなお話だったんですけれども、次に、この授業スタンダードとの関連性について伺いたいと思います。
 この授業スタンダードにつきましては、共通の流れを示しているということで、以前の答弁でも、経験年数が浅い教員でも主体的・対話的で深い学びにつながる授業が実践できると考えているというようなご答弁がありました。改めて、この授業スタンダードについては、目当てを明確にして、課題を解決する時間を確保する、また交流をするということ、ICT機器を活用するということと習熟度別指導を行うと、5つ書かれているわけなんですけれども、この授業スタンダード、今ほど画一的ではないというようなご答弁があったんですけれども、過去の質問でも、そのマニュアルを示すことによって、ある程度方向性を決めてしまうんではないかと。私もその授業を幾つか拝見しましたけれども、目当てをつくって、話合いといっても1分か2分ぐらい話をして、それで結論を出すというパッケージになっていて、その授業の最後に結論を出すんですけれども、その話合いというのが、その結論に向かう話合いで、ある種ゴールが決まった話合いになってしまっているのかなというふうに私自身も感じたところです。そういった部分もあるのかな。
 先ほど指摘をさせていただきましたけれども、アクティブラーニングをする前提として、基礎的知識がそろっていないと対話も成り立たないという現状があるのかなというふうに思いますけれども、この授業スタンダードに対する評価についてと、改めて、アクティブラーニングの対義語としてはパッシブラーニングという、知識を植え付けるというような基礎的な授業という部分が必要になるのかなと思いますけれども、この使い分けが私は必要じゃないかなというふうに思うんですけども、その辺のご見解をお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 板橋区授業スタンダードにつきましては、繰り返しになりますけれども、ご紹介ありました教員の経験年数や習熟度にかかわらず、一定の授業の質を担保するために必要不可欠なものであると認識しているところでございます。
 また、ご指摘のありましたように、単に知識や技術を身につけるなど、教科の特性や学習の目標、学習の内容、配当時間によっては講義形式による授業であるいわゆるパッシブラーニングのほうが効果的な場合もあるというふうに認識してございます。児童・生徒の実態を踏まえまして、学習の目標を達成するために、学習内容を鑑みながらアクティブラーニングを実現するための板橋区授業スタンダードに加えて、パッシブラーニングであります講義形式の授業を効果的に取り入れていくことが重要であると考えているところでございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。ぜひとも、このアクティブラーニング、授業スタンダードが、これがスタンダードなんだということで、毎回同じ流れで授業を進めるということがないようにぜひお願いしたいなというふうに思っております。
 ここで、私の例というところなんですけれども、アクティブラーニングではなかったのかなというふうに思う事例をちょっと2つご紹介させていただきたいなと思っておるんですけれども、1つ目は、私自身のお話でして、私が小学校4年のときなんですけれども、クラスでやりたいことを先生が募集しまして、何がしたいかというのを聞いたところ、遠足に行きたいということになりまして、それで学校から徒歩10分ぐらいのところに公園があったんですが、そこでみんなで遊びをやって、お弁当を食べて帰ってくるというだけのことなんですけれども、それに対して、クラスで全体のリーダーを決めて、タイムキーパーを決めて、各遊びのリーダーを決めて、お弁当係だの、移動のところのリーダーだのと様々決めたんですね。さらに、それに対して先生にプレゼンテーションして、いろいろな突っ込みを受けると。これがまさに自分たちで考えて主体的に行動するということなんじゃないのかなというふうに、私、今さらながらちょっと思い出しております。
 また、もう一点あるんですけども、これは私が実際にやったほうなんですけど、これが、東京都の三鷹市第七小学校なんですが、2014年の7月に、これ、当時三鷹市の教育長がよしということで、この小学校の6年生の総合の時間を半分くれまして、それでプロの歌舞伎役者を呼んで、子どもたち小学生全員に、これは白浪五人男という歌舞伎なんですけれども、これを全員に主役をやらせるということをやりまして、これは別に歌舞伎役者をつくりたいということではなくて、こういった大人が真剣に仕事をする、そして実際にその大人に触れ合って練習をするという実体験、こういったものがまさに主体的に学ぶということにつながっていくんじゃないのかなと私自身は考えております。
 こういった様々なアクティブラーニングというのは、今ほど話のあった授業の中で目当てをつくってということだけではなくて、柔軟な様々な運用があってこそつながっていくのかなと。教材準備にかかる経費ですとか、またあとは各学校において、ある程度自由な授業の計画を立てられるように、これが先進的かどうかはちょっと別として、様々な先進的な事例を参考にして、教師の自主性を尊重した授業計画を後押ししていただきたいというふうに考えておりますが、見解をお伺いいたします。

◎教育委員会事務局次長 
 板橋区では、総合的な学習の時間では、探究的な学習の過程をなお一層重視いたしまして、各教科等で育成する資質・能力を相互に関連づけまして、実社会、実生活において活用できるものとするとともに、各教科等を越えた学習の基盤となる資質・能力を育成することを基本的な考え方としてございます。各学校で児童・生徒が自ら課題を設定し、その解決に向けて友達と議論し、合意形成を行うなど、目的意識を持った対話的な学びが実現できるよう、各学校の取組をそれぞれ尊重しながら授業改善に今取り組んでいるところでございます。
 教育委員会といたしましては、各学校の教育目標や児童・生徒の実態を踏まえ、またこの実態等を尊重しながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、引き続き教員の資質・能力の向上を図ることを支援してまいりたいと思ってございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。アクティブラーニングとか授業スタンダード、万能ではないので、ぜひ様々な事例を参考にしていただきたいなと。
 あともう一つ、先進事例、いろいろな教育センターで月1で座学をやっていらっしゃるというのは非常に評価できるところだと思うんですけれども、先ほどの例ではないんですが、やはり教員も実際にやってみないと、座学ではなかなか学びが定着しないというところがありますので、ぜひこの講座、実際にやるというところを進めていただきたいなというふうに思っております。お願いいたします。
 それでは、続きまして、4番の公園と校庭利用についてということでお話をさせていただきたいと思います。
 子どもたちの遊び場については、昨年の総括質問でも我が会派の高沢議員が質問に取り上げております。会派といたしまして、一丸となってこの問題につきましては全員野球で取り組んでいこうという意気込みでおりますので、ぜひ前向きな答弁をお願いいたしたいと思います。
 これはスライドなんですけれども、まず、子どもたちの遊べる空間の確保についてということで、これはキャッチボールの絵なんですけれども、昨年、子どもたちの遊び場について陳情も採択されました。子どもたちの声を聞いて少しずつ改善を図っているのかなというふうには思いますけれども、改めて子どもの遊べる空間の確保についての認識、それから充足しているかどうかということについてお伺いいたします。

◎土木部長 
 土木部というご指定でございましたので、公園の関係でお答えをさせていただきますけれども、結論的には、子どもに特化しての過不足というデータは持っていないところでございます。理由といたしましては、公園と申しますのは、屋外におきまして、住民の休養、保健、慰楽、休息、運動、遊戯、観賞、先ほどお話にもありました教育などの用に供するものといたしまして、これに加えて、公災害の防止、大気の浄化、震災、火災時の避難等のために設置すると定義されているところからも分かりますとおり、お子様の遊びだけに特化した空間とはなってございません。したがいまして、子どもが遊べる空間としての基準などがございませんで、また子どもの遊べる場所は公園だけになっているわけではございませんので、データを持ち合わせていないというところでございます。
 なお、公園面積の視点だけで過不足を申し上げますと、都市公園法の施行令で定める都市公園の整備目標値に比べますと、板橋区には将来的には目標値約279ヘクタールに対して、約90ヘクタールの公園整備が必要になるという状況でございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。こちらは昨年もあった絵だと思うんですけれども、キャッチボールのできる公園と、あと青色が都立公園を指しておるんですけれども、次に、キャッチボールできる公園についての評価についてお伺いいたします。また、こういったキャッチボールできる公園を追加する予定がないのかについても併せてお伺いいたします。

◎土木部長 
 まず、1つ目のキャッチボールができる公園への評価でございます。
 キャッチボールなどの球技につきましては、危険であると判断しましたり、近隣や他の利用者の受忍の限度を超えまして迷惑を及ぼすと判断される場合に禁止をしてきたものでございまして、これが基本的な評価になっております。今年度、4月からですけども、既に79件の苦情をいただいておりまして、この数以上にお困りの方がいらっしゃるというのが実情でございます。
 こうした中で、一定のエリアをフェンス等で囲うなどいたしまして、ボールとの衝突ですとか、園外へのボールの逸脱といった危険を回避しようとした試みがこちらに示されております約15か所ありますボール遊び広場でございます。この施設の評価といたしましては、深夜に及ぶ使用ですとか、フェンスへの故意の壁当て、独占的な利用、限られたスぺースでのバットの使用など、基本的なルールが守られていないことに起因いたしまして、やはりこの4月からでも41件の苦情をいただく状況となっております。こうしたことから、施設整備ということもさることながら、基本的なルール、譲り合いですとか、危険な行為の禁止、こうしたことを浸透させることが先決であるというのが現在の評価でございます。

おばた健太郎 
 ありがとうございます。これは各いろいろなところで撮ってきたものなんですけれども、様々な今ほどおっしゃったようなフェンスとかがあります。ご対応いただいているかなというところもあるんですけれども、ほとんどが金網フェンスになっています。あと、右側の、これはどこだったかな、出口にガードがないので、ボールが飛んでいってしまうというようなことがありますので、これは随時ご対応、ぜひ環境の整備をしていただければいいかなというふうに思っております。
 それから、現在、野球、サッカー禁止というような貼り紙が出ておるんですけれども、これを例えばキャッチボールは周りに配慮してなど、表現を少し緩和してはどうかということをご提案いたしますが、いかがでしょうか。

◎土木部長 
 公園のキャッチボール禁止の表現についてでございます。
 区立公園内でのボール遊びにつきましては、それ自体を禁止しているわけではございませんけれども、危険を伴うような状況にある場合ですとか、近隣や他の利用者からの苦情が多い場合には、個々の状況を判断して、多くの公園エリアで禁止との表示を行わせていただいております。それでも一部の公園では周りへの配慮というものが全くされない状況が続きまして、近隣や他の利用者などから強い要望がありまして、キャッチボール禁止の大きな横断幕を設置しているようなところもございます。
 こうした近隣の方々の苦悩にも理解をいただきながら、キャッチボールに限らず、周りに配慮した利用が実現いたしますように、公園行政の中では限られたことしかできないかもしれませんけれども、青色パトロールカーによる指導を行ってまいりますとともに、ご提案の表現の使用も引き続き分かりやすさと利用マナーの向上に努めてまいりたいと思います。

おばた健太郎 
 ぜひよろしくお願いいたします。
 あと、校庭利用についてお伺いをいたしますけれども、平日、土日祝日含めて、校庭利用についての現在についてお教えください。

◎地域教育力担当部長 
 それでは、校庭の利用に関するご質問でございます。
 平日の放課後の校庭につきましては、あいキッズにおける重要な活動場所として日常的に使われております。それ以外の活動のために開放することは難しい状況であると考えております。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、3密を避ける上で屋外である校庭を活用することは、あいキッズ活動においてより重要度を増した活動となっているところでございます。

おばた健太郎 
 この項、まとめますけれども、今非常に難しいというお話ありましたけれども、例えば公園の利用制限、子どもは3時から夕焼けチャイムまでの間ぐらいしか公園は実際遊ばないわけでありますから、そういった時間帯は近隣の方にご理解をいただくであるとか、新たに公園を設置するとか、先ほどの地図の中でもキャッチボールできる空間、場所がないというエリアもありましたので、そういったことをぜひご検討いただきたいというふうにお願いをいたしまして、取りあえずこの項の午前中はここまでとさせていただきたいと思います。

◎地域教育力担当部長 
 すみません、追加で答弁させていただきます。土曜、日曜、祝日の午後、校庭を子どもの遊び場として開放しているところでございますが、10月10日から年内までの間、試験的に5つの小学校で一定のルールの下、時間を限定しておりますが、キャッチボールとサッカーの利用を可能としたところでございます。
 以上でございます。

おばた健太郎 
 最後の5項目め、文化芸術支援と環境整備についてということですけれども、すみません、ちょっと時間があれですので、少しまとめて質問をさせていただきたいと思います。
 文化芸術支援ということで、アーティストバンクいたばしというものがこちらありまして、6月1日から文化国際交流財団で募集を始めたということで、また補正予算で一律1団体につき10万円給付するということが始まりました。こちらのように団体が今表示されているんですけれども、先日の答弁でもありました。区民文化部長の欠くべからざるものという言葉、本当にすばらしいなというふうに私も評価をしているところであります。さすが未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち板橋だなと思っているところであります。
 さらに、文化を輝かせていただきたいという思いから質問をさせていただきたいんですけれども、今例えば1階のロビーコンサートですとか、そういったところでの音楽発表ですとか、文化を発表しているというところもあろうかと思います。また、平成30年度の行政評価でも、文化は数値で置き切れない難しさがあるのは理解できるが、そういった意味でアウトカムイメージの具体化が必要である。そして、もう少し日常レベルまでイメージを落とした上で、板橋区が既に保有している資源を活用することが望まれるというような評価がされております。一般の方々が身近に文化や芸術に触れられる機会が街角にあふれているということがビジョンに沿うのではないかというふうに考えております。
 これがロビーコンサートの絵ですね。その上でですけれども、こちら、ご存じの方はご存じかと思うんですけれども、東京都の都庁の南展望台の都庁おもいでピアノというものでありまして、芸術家の草間彌生さんが監修のグランドピアノであります。ユーチューブ等でストリートピアノなどで話題となっております。この都庁も有名ですけれども、例えば神奈川県横浜市の関内、新百合ヶ丘、広島ですとか様々なところで今ストリートピアノが置かれております。また川崎は、川崎ジャズの期間に合わせてヤマハの協力で設置をしておりますし、あと広島の場合ですと常設でストリートピアノを置いているということがあります。こういったことを踏まえまして、区の施設にこういったストリートピアノ、ぜひ設置していただけないか、そして来庁する多くの方々に身近に音楽を感じられるような空間をつくることを提案いたしますが、ご見解を伺いたいと思います。
 また、あわせて、もしこれが検討していただけるという方向性につきまして、今板橋区が様々取り組んでいるクラウドファンディングを募集することを提案いたしますが、併せてご見解を伺います。

◎区民文化部長 
 誰もが気軽に弾くことができるストリートピアノ、これは各地でいろいろと展開されていることは、インターネット等を通じて承知をしているところでございます。これに関しまして、ピアノの確保、管理、それにかかる経費、また演奏音による周辺環境への影響といった様々な課題があろうかというふうに認識をしております。実現するということにつきましては、なかなか難しいかなというふうに思っておりますが、ただ、財源確保の提案も含めて事業効果あるいは施設運営上の問題点など、総合的に判断をさせていただきたいと思っております。

おばた健太郎 
 ぜひとも総合的に判断をしていただければと思っております。船橋におきましては、募集したところ、中古のピアノを寄贈していただけたという例もございます。区民の意見ですとか、そういったクラウドファンディングを含めて様々な制度を利用して、区内に文化と芸術が広がるようなまちに、ぜひしていただきたいなと思っております。
 以上で私の総括質問を終わります。ありがとうございました。