2019年11月28日 第四回定例会

◆◆おばた健太郎 議員  通告に従いまして、民主クラブを代表して一般質問を行います。
 初めに、PPP/PFIについて伺います。
 板橋区は、いたばし№1実現プラン2021にて、民間活力の活用、PPP/PFI方式を選択肢の一つに入れて総合的に判断するとしています。将来的には人口減少が予想され、財政事情が厳しくなっていく中においては、必要な部分については民間活力を積極的に活用していくべきであると考えております。
 PFIは、建設、維持管理、運営等に関して民間の資金、経営能力を活用することでサービス向上を図る、行政側は長期間にわたって割賦払いを行うことが可能であることからも、財政負担の平準化効果が大きいなどの多くのメリットが示されております。しかし、メリットとあわせて、国内、海外ともに失敗事例も多々あることから、デメリットの面も考慮しておく必要があると考えます。
 PPP先進国のイギリスでは、「財政難のため、ほかに選択肢がないという主張に対抗できなかった」「SPCとプロジェクトファイナンスの手法を用いる場合、株主配当と高い資金調達コストが、施設・サービスの利用料金や委託料の上昇を招いた」「事業効率の向上というメリットは実現が困難」などといった議論がなされております。イギリスと日本では単純に比較することは難しいですが、財政難の中での解決策として安易にPPP/PFIを推進することは、逆に将来にわたっての運営に禍根を残す可能性もあります。
 そこで伺います。PPP/PFI等の公民連携の手法に関する区の基本的な姿勢を改めてお聞かせください。また、PPPにおけるデメリットや破綻事例についてはどのように認識されているのかお聞かせください。
 次に、専門性を備えた職員の育成について伺います。
 民間活力の活用においては、民間の力だけではなく、行政が中心的役割として主体的に事業を進めていかなければプロジェクトの成功は望めません。平成31年第1回定例会において、区長は「PPPをはじめとした事業手法について情報収集に努めながら、施設経営の視点を持った専門性を備えた職員を育成していきたいと考えています」と答弁されました。そこで伺います。専門性を備えた職員の育成について現在の育成状況をお教えください。
 次に、旧保健所の再整備について伺います。
 本庁舎周辺公共施設再編方針について、旧保健所、北側公有地、情報処理センターの3か所に関しては、民間活力の活用(PPP)により必要となる事務所機能の確保と施設整備費の負担軽減を目指すとのことですが、その中の旧保健所について伺います。
 旧保健所跡の機能構成図(案)によりますと、その大部分は区内に分散配置された課や事務局であり、民間スペースは一部にとどまっております。大部分が公共施設となることから、直接発注方式、DBO方式、BTO方式等さまざまな方式が検討可能だと考えられます。そこで伺います。今現在、旧保健所の再整備について、直接方式、PPP/PFI含めて、どの手法が最も有効と考えているのか見解をお示しください。
 次に、ヒートアイランド対策について伺います。
 板橋区地球温暖化対策実行計画の中で、ヒートアイランド対策も具体的政策の一つとして取り上げられております。遮熱塗料は、太陽光をはねのけて、暑さを浸透させない効果によって温暖化対策、ヒートアイランド対策にも効果があると言われておりますが、この件に関しては過去の議会でも何度か取り上げられており、平成29年第4回定例会において、遮熱塗料による塗装工事の補助制度について区長は、「補助制度の導入について多角的に検討していきたいと考えています」と述べられました。区の補助制度が整えば、遮熱塗料の普及は一層高まると期待されます。そこで伺います。遮熱塗料の補助制度についてのその後の検討はいかがでしょうか、お答え願います。
 次に、透水性舗装についてですが、平成27年第3回定例会において区長は、「透水性舗装につきましては、原則として区内の全ての歩道に適用しております。それ以外の特殊舗装につきましては、試験的に実施した箇所がありますけれども、費用対効果の面から今後も慎重に採用を検討してまいりたいと考えています」との答弁がありました。透水性舗装は、通常の水を通さないアスファルトと異なり、あえて空隙を与え、水を通しやすい構造とすることで雨水を地下に浸透させることを目的としており、ヒートアイランド対策に効果があると言われております。空隙率が高いことから耐久面で課題があることは承知しておりますが、平成24年12月5日の都市建設委員会にて、「今後も技術革新が進むにつれて車道の透水性についても考えていく」との課長答弁がありました。今年度の夏も猛烈な暑さによって熱中症で倒れられた方も何人もおり、さらなるヒートアイランド対策が必要だと感じております。そこで伺います。歩道だけでなく車道も含めて透水性舗装にすることに関する検討状況はいかがでしょうか。見解を伺います。
 次に、遮熱性舗装についてですが、新宿区では従来の透水性舗装だけではなく、遮熱性を加えた遮熱透水性舗装整備を行い、さらには効果測定も行っております。それによりますと、従来の舗装と比較して11.1度も低くなる効果があったそうです。他区においても、東京国際フォーラム周辺、サンシャインシティ周辺など、毎年随時遮熱性舗装が行われておりますが、板橋区全体においては2,905平方メートル整備されているだけで、近年は舗装を行っていないと聞いております。
 遮熱性舗装は、一般的には舗装により温度が2度、3度程度変わると言われておりますが、一方で体感温度には変化がなく費用対効果が低いのではないかといった指摘もなされております。そこで伺います。ヒートアイランド対策に効果があるとされた遮熱性舗装に対する評価と今後の敷設計画について見解を伺います。
 次に、都市計画を含めた多角的なヒートアイランド対策について伺います。
 区として、街かど涼空間の創出、雨水浸透施設の設置と雨水利用の促進、緑のカーテン、屋上緑化の導入など、涼しく緑あふれる居心地のよい空間をつくるなど、さまざまな対策に取り組んでいることは承知しております。しかし、連日猛暑が続き、熱中症患者が飛躍的に増加しているのも事実です。
 公共施設へのエアコン設置が強く要望される一方、それに伴う人工排熱の増加がヒートアイランドの原因の一つとして指摘されていることからも、根本的な対策を講じなければヒートアイランド現象の解決には結びつきません。空気調和・衛生工学会の研究では、大阪市を例にして、建物壁面温度、街路形状や道路の幅、樹木の配置や風、水路も含めてまちづくりの視点の一つとしてヒートアイランド対策の研究を行っております。また、定性的な評価のみでなく、具体的な数値目標を設定することも提言しています。そこで伺います。温暖化対策はまだまだ検討の余地があると感じております。ヒートアイランド対策は緑化のみならず、都市計画を含めて多角的に対応しなければならない分野です。まちづくりにおいて、風、水路、樹木、道路全てを勘案した横断的な対策が必要と考えますが、見解を伺います。
 次に、公立中学校の外部指導員について伺います。
 教員の働き方改革の一環として、板橋区では部活動における外部指導員の導入を進めております。各部活動を経験した指導者が必ずしもそろってはいない各校において、専門的な知識を有した外部指導員の導入は、顧問の教員にとっては負担を軽減できる、生徒にとってはしっかりと指導してもらえるといったメリットがあり、招かれる外部指導員にとってもやりがいがあり、これまでの経験を生かすこともできるという、適切に運用されていれば大変有用な制度です。
 しかし、残念ながら指導者として適切とは言えない人物が就任しているケースが中には見られており、生徒に対する暴言を吐く、けがのために通院したところサボりだと決めつけられた、ひいきする生徒に対し部活動の部長を無理やり指名する等々、外部指導員による不適切な指導も行われておりました。
 外部指導員は年度更新ですが、現状では、一度外部指導員を登録すると、本人が辞退しない限り契約を継続できてしまいます。また、外部指導員はコーチとして試合に出場する選手を決める立場にあることから、問題があったとしても、試合に出してもらえないかもしれないという不安から、生徒から言いにくい状況が発生してしまいます。何年も同じ人間が指導員を行い、顧問以上に権力を持ってしまう事例もあり、問題があってもやめさせられないなど適切な新陳代謝がなされていないのではないかと懸念しております。
 今回、ある中学校で、長年問題視されていた外部指導員について、教育委員会からの迅速かつ適切な指導があり、問題を素早く解決することができました。その点については高く評価し、感謝いたします。しかし、長年問題があることを把握していながら対処してこなかった学校長の姿勢や、情報共有できていなかった現在の体制は早急に改善することを強く要望したいと考えています。そこで伺います。外部指導員の活用方針について、現在の姿勢をお答えください。
 それに関連して質問を続けます。板橋区立中学校における部活動の指導補助員の取扱い要綱には、区立中学校の指導補助員について定期的かつ計画的に研修を行うとあります。また、校長の面接により適格と認めた者に指導補助員を指定するとあります。そこで2点伺います。外部指導員に対してどのような教育を行っているのか、外部指導員に対して選定基準はあるのか見解を伺います。
 取扱い要綱には必要な資格等の基準がなく、校長が認めた者が指導補助員になることができる仕組みとなっております。他区の事例ですが、横浜市では条件の一つとして、日本スポーツ協会が発行する公認指導員資格を有する方や教育委員会が認める部活動指導員に関する養成講座等を修了した方など、一定の質を担保した形となっております。そこで伺います。外部指導員に対して資格制度を取り入れるべきと考えますが、見解をお示しください。
 取扱い要綱によると、第10条に、「指導補助員が次の各号の一に該当する場合は、その意に反して教育委員会は委嘱期間満了前でも委嘱を解除することができる」とあり、その3項目めには「指導補助員として相応しくない非行があった場合」とあります。現在の状況では、多少の問題行動があったとしても、生徒からも保護者からも顧問からも言い出しづらく、ブラックボックス化してしまうケースがどうしても出てきてしまっています。
 そこで伺います。現在までにトラブルのあった外部指導員を教育委員会が委嘱を解除したことはあるのでしょうか。中学生にとって部活動は生活の一部であり、教育の観点からも重要な要素です。しかし、一部の外部指導員のいき過ぎた指導やあつれきによって部活に参加できない、退部を余儀なくされる、ましてやパワハラ・セクハラが横行することなどあってはなりません。健全な教育活動の一環としての部活動の体制づくりを強く求めます。そこで伺います。外部指導員に問題があった場合、誰が把握するのか、どのように対処するのか、教育委員会の姿勢を伺います。
 次に、児童・生徒の体力向上について伺います。
 児童・生徒の健やかな成長のために、健康づくり、体力づくりが欠かせないことは言うまでもありません。板橋区としても体力づくりの推進として、各校での日常的な体力向上への取組みや保健指導、食育指導の充実、体力向上カードの配布などさまざまな取組みを行っております。区立小・中学校で行っている児童・生徒の運動能力調査結果はおおむね平均的ではありますが、全国平均に届いていない項目も数多く見られます。そこで伺います。板橋区の児童・生徒の体力について、特にボール投げについては顕著であり、平均以下であることに対する見解を伺います。
 当然のことながら、児童・生徒の体力づくりには、体育の授業や休み時間の遊び時間だけでなく、日常的に活動できる場所が身近にあることが重要です。そういった観点からも、平日放課後にボールを使って遊べる場所がもっと必要ではないでしょうか。利用者である子どもたちからの生の声も届いており、そういった声に寄り添うことが重要だと考えます。
 そこで伺います。以前から機会を捉えて要望しておりますが、キャッチボールのできる公園の増設を要望いたします。特に現状では地域に偏りがあり、例えば坂下、蓮根地域などの空白地域への設置を検討していただきたいですが、見解を伺います。
 板橋区では、放課後対策事業として、あいキッズを全校に導入しており、学校の校庭、体育館、図書館などの施設を使用しております。それらは安心・安全な居場所として親しまれておりますが、高学年の児童にとっては自由に遊ぶことができず、登録していない児童も数多くおります。平日放課後の校庭はあいキッズが利用しており、登録していない子どもは校庭で遊ぶことができません。時間や場所を区切って開放するなどの工夫はできないのでしょうか。公園でも校庭でも遊ぶ場所がなく、道路やマンションのエントランスで遊んでいる子どもも多く見られます。子どもたちが安心して遊べる場所を区全体で考えていかなければなりません。そこで伺います。平日校庭の利用をあいキッズ利用者だけでなく、登録していない一般の子どもたちにも開放するべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、地域課題について伺います。
 まずは、東板橋体育館改修について伺います。東板橋体育館は施設老朽化に伴い、令和2年2月から1年半にわたり改修工事を実施することとなりました。建設から約31年が経過しており、老朽化による改修は避けられないものであるため、しっかりと改修工事を進め、末永く区民に愛される施設となるよう要望いたします。一方で、日常的に利用されている方々にとっては、日ごろ親しんでいる施設が長期間使えなくなり不便を感じることからも、何らかの代替施設を検討すべきだと考えます。そこで伺います。東板橋体育館が長期間使えなくなるため、スタジオプログラム等については、文化施設の会議室等の活用を検討してはいかがでしょうか、見解を伺います。
 次に、東板橋公園、板谷公園について伺います。
 東板橋公園についても現在大規模な改修が行われており、こども動物園のリニューアルや指定管理者制度による民間の力を活用した魅力あふれる公園となることが期待されております。板谷公園については、東京都の下水管工事が令和2年から行われると聞いております。板橋区の公園が次々改修を迎えておりますが、それらの公園内で小さな子どもが安心して遊べる遊具はどのように整備される予定でしょうか。大谷口児童遊園、通称かいじゅう公園や北口の北谷端公園にはボルダリング機能や滑り台を組み合わせた大型遊具が整備されております。そこで伺います。東板橋公園や板谷公園に、子どもたちがしゃがむ、つかむなどのさまざまな動きを楽しめる遊具を設置するべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に板橋区史跡公園について伺います。
 石神井川沿いの加賀公園及び旧理化学研究所跡地一帯を板橋区史跡公園として整備し、令和7年に開業する方針が示されました。その一帯は、中山道板橋宿と接して加賀藩下屋敷が置かれ、その後、板橋火薬製造所、陸軍の兵器廠、理化学研究所と江戸時代から明治、昭和にかけて歴史が感じられる地域です。
 そこで伺います。板橋区史跡公園に対する区長の意気込みを伺います。近年、こういった貴重な遺産を整備する際に、ソフトウェアを活用して、整備内容をまとめた動画や施設全体を3Dでつくった動画、デジタルデバイスを用いた資料などを作成する例が散見されます。しかし、こういったことだけに特化してしまうと、オープンから数年は物珍しさから人が集まりますが、やがて陳腐化し、誰も手にとらなくなってしまいます。遺産はそのものに価値があり、あるものの価値を再発見する施設にするべきと考えます。そこで伺います。陳腐化しない普遍的な施設となるよう、学芸員などの意見を聞くなどして、次世代につながる施設となるよう強く要望いたしますが、見解を伺います。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございます。(拍手する人あり)

◎区長(坂本健君) 議長、区長。

○議長(元山芳行議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

◎区長(坂本健君) それでは、おばた健太郎議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、PPP/PFIに関連いたしまして、区の基本姿勢についてのご質問であります。平成25年に策定いたしました公共施設等の整備に関するマスタープランにおきましては、改築・改修等の経費縮減・平準化手法として、PPP/PFIの検討を行うことといたしました。また、平成27年に閣議決定されました国の経済財政運営と改革の基本方針2015においては、各自治体に対し、PPP/PFIの導入を優先的に検討するよう要請をしております。こうしたことも踏まえて、№1プラン2021においては、PPP/PFI方式を、限られた財源をより効率的・効果的に活用する手法として、まずは検討することとしております。
 次は、PPPにおけるデメリットについてのご質問であります。
 PPP/PFIの手法は万能ではなく、導入する事例によってメリット及びデメリットがあり、区は一定の効果があると見込んだものを検討対象といたしております。PFIにおきましては、当初見込みを超える負担の発生や期待した効果が実現できないなどの事例があることは承知をしているところでありますが、いずれも事前の調査、条件整理に課題があったものと思われております。事業実施に当たりましては、学識経験者の助言を受けながら、しっかりと事前に調査を進め、進捗管理をすることによってリスクを最小限に抑え、メリットが享受できるように取り組んでいきたいと考えています。
 次は、職員の育成についてのご質問であります。
 日ごろからPPP/PFIに関する外部研修の受講や事例調査、政策アドバイザーから助言を受けるなど、知識の向上に努めているところであります。また、現在進めております公共施設の再配置等の具体的事例の中において、職員間の情報共有を図りながら、OJTを通した人材育成にも取り組んでいるところであります。
 次は、旧保健所の整備手法についてのご質問であります。
 本庁舎周辺の公共施設再編については、旧保健所・北側公有地・情報処理センターの3か所全体の中において、財政負担の軽減を図るために民間活力の活用を積極的に検討しているところであります。事前に実施したサウンディング型調査においては市場性が確認され、一定の収入確保も期待できることから、PPP手法による整備は、この事例においては現時点で有効な手法と考えております。
 次は、ヒートアイランド対策に関連いたしまして、遮熱塗装の補助制度についてのご質問であります。
 住宅等の屋根や屋上に行う遮熱塗装は、夏季においては冷房温度設定の緩和による省エネ・節電効果があり、建物の蓄熱の減少によりヒートアイランド現象の抑制にもつながると考えています。
 一方、冬季においては、建物に蓄えられる熱量が減少することによりまして、暖房で使用する電力等のエネルギー使用量が増加することも想定がされます。今後、補助対象とするか否かについては、国や東京都、他の自治体の動向のほかに、技術革新や区の財政状況等を踏まえながら慎重に検討していきたいと考えています。
 次は、車道も含めた透水性舗装の施工に関する検討状況についてのご質問であります。
 透水性舗装は、従前から車両の走行に対する耐久性が低く、路面の段差やひび割れの発生時期が一般の塗装の半分程度のため、歩道を中心に使用しているところであります。平成24年の答弁当時からの検討状況でありますが、耐久性能はほとんど改善をしておりませんで、現時点で使用すれば、補修サイクルが短くなり、その点において環境負荷も心配されます。今後も引き続き試験使用を行いながら、耐久性の状況を見守り、劣化の速さに見合う透水効果が得られる段階において車道へ使用拡大を図っていきたいと考えています。
 次は、遮熱性舗装に対する評価と今後の施工計画についてのご質問であります。
 遮熱性舗装については平成19年から20年に施工し、約3年間にわたり施工箇所の温度測定を行ってまいりました。その結果、測定点での温度低減効果は、夏場の外気温が最高値になる午後2時から3時ごろにおいて、一般舗装よりも約10度ほど低くなることが確認できました。一方において、路面から約150センチ程度の高さにおいては、反射効果によって一般の舗装よりも温度が高くなるという説が今年8月に公表されるなど、さらに検証を行う必要が出てくるものと考えています。このため、耐久性の向上やコストの状況とあわせ、効果の再点検を含めた検証を続けてまいりたいと考えています。
 次は、横断的な対策についてのご質問であります。
 区ではヒートアイランド対策として、板橋区地球温暖化対策実行計画に基づきまして、緑のカーテンや屋上・壁面緑化の導入、雨水浸透ますの設置や透水性舗装等を進めております。これらにおきましても既に、資源環境部はもとより、都市整備部や土木部、教育委員会事務局など各部署が連携をして取り組んでいるほかに、区民の皆さんや事業者等との協働も取り入れているところであります。今後、令和2年度に策定します板橋区地球温暖化対策実行計画(区域施策編)2025に基づきまして、庁内の横断的な連携や区民、事業者等との協働についてさらなる強化を図っていきたいと考えています。
 次は、キャッチボールができる場所の設置についてのご質問であります。
 公園内での危険なボール遊びについては、公園利用者や近隣住民からの苦情を受けて禁止をしているものであります。広場をフェンスで囲んでいるところでは、ボール遊びなどの利用制限を緩和しておりますが、夜間使用や独占的な使用といったルール違反の対策など解決すべき課題も多いと感じています。キャッチボールなど球技に対するニーズには応えていきたいところではありますが、公園だけで対応するには限界があるとともに、近隣住民の合意など一定の条件は満たす必要があるものと考えています。
 次は、東板橋体育館の改修についてのご質問であります。
 改修期間中、指定管理者間の連携事業等を活用し、可能な範囲内においてスタジオプログラム等の代替施設として、文化会館やグリーンホールの会議室等の利用について調整をしていきたいと考えています。
 次は、複合遊具の設置についてのご質問です。
 公園遊具につきましては、子どもがさまざまな動きを体験できるという効果も含め、複合化を推進しておりますが、地形や広さなどの条件や利用者のニーズに合わせて判断をしております。
 東板橋公園については、平成18年度に地域の方がワークショップで計画をしたものでありまして、現在のところ、改修や増設は予定をしていないところであります。板谷公園につきましては、今後、改修の時期が来た段階において、地域の皆様の参画を得て計画をしたいと考えております。遊具の内容も、その中において合意形成に基づいて判断をしていきたいと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。

○議長(元山芳行議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

◎教育長(中川修一君) それでは、おばた健太郎議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、公立中学校の外部指導員に関しまして、外部指導員の活用方針についてのご質問ですが、教育委員会では部活動の技術的指導の充実と活性化を図ることを目的として、各中学校に年間500回、部活動の指導補助員を配置できるようにしております。
 次に、外部指導員に対する教育についてのご質問ですが、指導補助員に対しましては、体罰防止や服務の遵守、部活動の位置づけや教育的意義、生徒の発達段階に応じた科学的な指導、安全の確保や事故発生時の対応について教育委員会と各学校でそれぞれ研修を行っております。
 次に、外部指導員の選定基準についてのご質問ですが、指導補助員の委嘱につきましては、学校の正常な教育活動を妨げる恐れのある者を除き、当該部活動に関する専門的な知識、技能を持ち、校長の面接により適格と認めた者と要綱に定めております。
 次に、資格制度の導入についてのご質問ですが、資格制度の導入につきましては、指導補助員の一定の質を担保することはできると思われますが、部活動には多種多様な種目があり、柔軟な人材確保の観点から困難であると考えます。教育委員会としましては、学校と連携しながら研修を一層充実させていくことで指導補助員の質の担保を図り、部活動を充実させてまいりたいと思います。
 次に、外部指導員の解除についてのご質問ですが、過去3年間、教育委員会が直接指導補助員の委嘱を解除したケースはございません。
 次に、外部指導員のトラブルがあった場合の対処についてのご質問ですが、部活動は学校の教育活動の一環であり、指導補助員に問題があった場合は、学校の責任者である校長が状況を把握し、改善を図るよう指導を行い、改善が図られない場合には委嘱を解除することもあります。また、ケースによりましては、教育委員会から学校へ事実確認を行い、必要な指導、助言を行うなど早期対応早期解決に向けて学校と連携しながら対応しているところです。
 次に、児童・生徒の体力についてのご質問ですが、平成30年度体力・運動能力、運動習慣等調査の結果では、板橋区の小学校のソフトボール投げは、男女ともに東京都の平均値とほぼ同等ではありますが、全国の平均値を下回っており、教育委員会としては課題があると認識しております。
 次に、平日の校庭利用についてのご質問ですが、平日放課後の校庭は、東京都板橋区あいキッズ条例に基づき、登録をしていない一般の子どもたちに開放することは難しい状況でありますので、あいキッズへの登録を呼びかけていきたいと思います。
 次に、史跡公園整備に関する意気込みについてのご質問ですが、平成29年8月に策定した板橋区史跡公園基本構想では、基本コンセプトを板橋の歴史・文化・産業を体感し、多様な人々が憩い、語らう史跡公園と定めています。また、板橋ならではの歴史や文化、産業の変遷への理解につながるよう整備し、板橋区の誇りとして愛され、再び訪れたくなる史跡公園となることを目指しています。史跡公園整備の際は、周辺地域にも目を向け、点在する文化財や商店街、観光スポットを回遊することで、区の魅力を発信するシンボルとなるよう鋭意努めてまいります。
 最後に、普遍的な次世代につながる施設となるようにとのご質問ですが、史跡の持つ本質的価値について来場者の理解を促す施策としましては、遺構・建造物の公開・活用とガイダンス施設における展示等、教育普及事業があります。史跡の持つ価値を生かした活用を図るためには、継続的な調査研究と成果報告、公開と展示の随時更新、さまざまなニーズに対応したソフト事業の展開などが考えられます。来場者の目線で常にニーズを把握し、学芸員が中心となって公開・活用計画を更新・検証しながら、史跡公園が次世代につながる普遍的な施設となるよう取り組んでまいりたいと思います。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。