令和5年度第三回定例会一般質問

第三回定例会一般質問に登壇しました

こんにちは。おばた健太郎です。改選後初めて一般質問に登壇いたしました。以下はその質問文全文です。区長、教育長からの答弁はまだ原稿が上がってきておりませんが、前向きな答弁もありました。また別途ご報告したいと思います。

民主クラブのおばた健太郎です。一般質問を続けます。

最初に所有者不明土地への対応について伺います。

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律が令和4年11月1日に、「土地・建物に特化した財産管理制度の創設」は令和5年4月1日に施行されました。また、これまで相続登記の申請は任意でしたが、相続登記申請の義務化が令和6年4月1日から施行されます。全国で410万ヘクタールともいわれる、所有者不明土地の解消のために不動産に関するルールが大きく変更されることになり、これによって都市開発や公共事業が進まない問題を解決するための大きな一歩になると期待しています。

1-1所有者不明土地についての現状の認識を伺います。

国土交通省の調査によると、都市部での登記簿上の所在不明土地は14.5%とのことです。区内にも相当数の所在不明土地があると推測されます。板橋区加賀1丁目に、現時点では所有者のわからない私道がありますが、道路の補修が必要とされているにも関わらず、なかなか進んでおりません。解決へのプロセスが手探り状態で、また、個人情報に阻まれて容易に調査が進んでいないのが現状です。公共の福祉の観点から、区も前向きに取り組んでいただくことを要望いたします。

板橋区は平成29年、所有者不明空き家の行政代執行を、全国で初めて民法上の「相続財産管理制度」を活用して実施し、「所有者不明空き家の行政代執行」という当時の記録を詳細に記した著書も出版されました。著書の中の「行政代執行を振り返って」という章には、これまで経験してこなかった「新しい問題」への自治体職員の対応スタンスやポイントについて、自治体は「冒険をしにくい」法的環境にあると、そして新しい問題への対処は「非常に困難な、しかし、非常にクリエイティブな作業である」。と記載されています。私はこの言葉に大変共感いたしました。所有者不明土地を、例えば公共性の高い公園や道路などに活用することは今までにない「新しい問題」です。今後も増えると予想される所有者不明土地への対応について、積極的に取り組むことを要望いたします。

1-2所有者不明土地の活用について、区としてしっかり取り組んでいただきたいですが見解を伺います。

次に板橋キャンパス跡地活用について伺います。東京都は平成31年2月に板橋キャンパス跡地活用計画を策定いたしました。高齢・障害サービスゾーン、社会福祉施設建替え促進ゾーン、防災ゾーン、多目的スペースと大きく4つのゾーンに分けて、整備する方針です。高齢・障害サービスゾーンでは、高齢者福祉サービス事業所として「優っくり村板橋栄町」が本年4月1日に開所いたしました。障害福祉サービス事業所については、今般ようやく公募要項の発表、事業者説明会が行われました。共同生活援助、短期入所、生活介護、相談支援、どの事業も多くの方が待ち望んでおり、一日も早く完成させることを要望いたします。当初の計画では本年開設予定でしたので、これ以上遅れることはあってはなりません。

2-1板橋キャンパスの障害福祉サービス事業について現状を伺います。遅滞なく進めるよう、東京都との連携をこれまで以上に進めていただきたいですが、見解を伺います。

次に社会福祉施設建替え促進ゾーンについて伺います。こちらは当初のプランによれば特別養護老人ホームを2022年度までに基本設計・実施設計が行われ、2023年度から工事、2025年度に開設というスケジュールとのことでした。東京都によるとホームの定員は240名程度と聞いておりますが、進捗はいかがでしょうか。

2-2社会福祉施設建替え促進事業ゾーンの現在の進捗について伺います。

次に、防災ゾーンと区の地域防災計画の関連について伺います。こちらも計画によれば2025年度開設で、都の災害備蓄倉庫を整備した上、防災訓練や避難場所等として使用できる用地を確保し、隣接する大山公園と一体的に活用する方針とのことです。避難場所等としての活用を想定するのであれば、仮設テントを設置できるようにすることや、避難の際にペットも一緒に避難できるような場所として活用されることを期待します。板橋区の中心地に整備されるため、区の地域防災計画でも重要な役割を担うのではないかと考えています。

2-3板橋キャンパス跡地の「防災ゾーン」について、板橋区の地域防災計画にどのように組み込まれるのでしょうか。防災訓練や避難場所としての位置づけなど、有効な活用を期待しますが、区の方針を伺います。

最後に防災ゾーンと大山公園の連携について伺います。大山公園と一体的に活用するために、防災ゾーンの開発に合わせて、大山公園も再整備を行っていただきたいですが、いかがでしょうか。

2-4板橋キャンパス跡地と大山公園の一体的な整備について伺います。

次に、部活動の地域移行、地域連携について伺います。国が平成30年に「運動部活動の在り方に関するガイドライン」を示したことを皮切りに、中教審答申、令和3年の地域移行に関する検討会議等を経て、令和4年スポーツ庁および文化庁から「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」が示されました。これをうけて、区では部活動地域移行推進ビジョン2030の骨子案を示し、生徒の成長の機会の確保、教育の質の向上、生涯スポーツ・学習社会の進展を目的に部活動の地域移行を進めようとしております。少子化が進む中、生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる環境の確保や、教員の働き方改善のために、今後持続可能な部活動として、地域とともに一体的な整備を目指すことには大賛成です。しかし、理想的なかたちにするためには、多くの懸念点を解決していかなければなりません。

3-1部活動の地域移行について板橋区の現在の取り組みを伺います。

次に地域の受け皿となる団体について伺います。まずは現状の方針を整理しますと、「地域移行」と「地域連携」の2つの方法があります。「地域移行」は文字通り地域の団体に運営を任せる形態で、責任の所在は運営主体が担うことになります。「地域連携」の場合は基本的な構造は現状と変わらず、責任の所在は学校にあり、指導者については、地域の方や、部活動指導員等と連携する形となります。国のガイドラインには、部活動地域移行の課題として「受け皿となる団体の整備充実」「指導者の質、量の確保」「施設の確保」「大会の在り方」「会費の在り方」などが挙げられています。

仮に団体が自由に設定された場合を考えてみると、同一種目で複数の団体が乱立、あるいは極端な集約が懸念されます。団体が多数ある場合、練習場所の確保や運営、会費等を調整する必要があります。また、例えば現在その地域にない競技を新たに立ち上げたいと思った場合、誰が主導、認可するのかも課題です。方針の違いによる団体の細分化もあります。合唱部を例にとると、合唱を楽しみたいというグループと、全国大会を目指したいというグループがあった場合、混乱は避けられません。無秩序に民間業者の参入を認めれば、質の担保にも懸念が生まれます。

このようなことから、適正な規模で、生徒が安心して参加できる団体の認証制度は非常に重要です。同一種目で過度な地域の偏重がないことや、活動場所などの適切な割り当て、団体の質を担保する観点からも、公的機関が団体を認証する制度が必要ではないでしょうか。また、団体をしっかり見極めることができる、「認証する評価者」の質も重要です。

3-2地域移行を行った際、受け皿となる団体を、しっかり認証する制度を確立していただきたいですが、見解を伺います。

次に指導者の問題が挙げられます。これは地域移行でも地域連携でも同じですが、指導者の質と量をどのように担保するのかが課題です。指導者について、誰が探すのか、報酬は誰がだすのか。団体の指導者を決定するのは誰なのか。指導者にハラスメントの問題があった場合、誰がやめさせられるのか。あるいは、顧問に突然やめられたら誰が対応するのかなど、様々な課題があると感じます。先ほどの認証制度と同じように、区が指導者のリストを作って一定程度の質の担保をする必要があると思われます。

3-3指導者の質と量の確保について認識を伺います。

次に部活動にかかる費用について伺います。現状は活動を行うときに会費はかからず、備品の購入のみで参加することができます。しかし、地域移行、地域連携どちらの場合でも活動費は必要になってきます。区が、現在直接運営している女子サッカークラブなどの「いたばし地域クラブ」においても、月2,000円の活動費が必要です。部活動を持続可能とするのであれば、どのような家庭環境の人でも活動できるようにするべきであり、月々の会費が支払えないので部活動に参加できない、ということがあってはなりません。

3-4いたばし地域クラブにおいて、会費を払えない家庭に対する対応について見解を伺います。

次に板橋区の姿勢について伺います。着実に平等性公平性を担保した部活動移行を行うためには一定の基準が必要です。そのためには区がしっかりと受け皿となる団体や指導者を調整する必要があります。部活ごと、種目ごとに適切な形態を模索するべきです。また、指導者の報酬についても現状、部活動指導員は時給2,000円程度と聞いておりますが、その報酬額では、特に文科系、芸術系の指導者は人材の確保が難しい可能性があります。先日の「部活動地域移行協議会」に参加させていただきましたが、参加者からは様々な不安や疑問の声が多く聞かれました。向かうべき方向性を明確にし、地域の団体や指導者に場所、権限、報酬などの具体的な内容を丁寧に相談、確認していかなければ、「持続可能な活動環境」を構築することはできません。生徒、教員、指導者、地域の方々など、すべての関係者が円滑に活動できる、持続可能な部活動となるよう、強く要望いたします。

3-5部活動地域移行について、区がしっかり体制をつくって進めるべきと考えますが見解を伺います。

最後に区の運営体制について伺います。現状、部活動の地域移行に携わっている職員は3名と聞いております。業務の中身が、地域の事情や学校への対応、制度設計、予算の確保など多岐にわたり、また、大変新しい試みである、部活動改革を推進するには、職員が少なすぎると感じます。今、私が挙げた様々な課題は、すでに認識されていると思いますが、調査するにも検討するにも現状の体制を拡充する必要があると考えます。

3-6部活動改革をさらに進めるために、区の担当職員の大幅な拡充を提案しますが、見解を伺います。

次に教師不足の問題について伺います。

これまで教育の充実をテーマに、1クラス2担任制度や指導メソッドなど、様々な提案をしてまいりました。今こそ、教職員の質と量の両方を拡充していかなければならないと痛感しております。区内のある小学校では、副校長が2名体制になったにもかかわらず、2人目の副校長は1年生の担任をしている状態が続いており、また、問題行動を起こす児童への対応が常に必要な状況で、教員不足は本当に深刻です。今年度から都の教職員採用基準が緩和され、様々な人材が応募できるようになった一方で、質の担保に課題を残しており、抜本的な教員不足対策が必要です。

4-1区としての現状の教員不足に対してどのように対策しているのか伺います。

杉並区では、平成19年から23年の間、教員の区採用の制度を実施しておりました。杉並区に現状を伺ったところ、令和5年度現在、56名が在籍しているとのことです。勤務条件は都採用教員と同一、勤務時間や給与も同一です。昇任制度も都費教員と同様で、2名の副校長も誕生しているとのことでした。制度は平成23年度で終了したので、年々人数は減少しておりますが、区採用の後に、東京都に25名、神奈川県には2名採用となった方もいらっしゃいます。板橋区では対策として単年度の任用職員の活用もされていますが、一年ごとの契約は不安定であり、根本的な解決にはなりません。教員にも多様性が認められる時代です。区採用の場合は校長等の管理職になれないとのことですが、必ずしも校長を目指していない教員も多いと思われます。現場でずっと教えることを望む教員もいる中で、都が各学校の教員の定数を定めているのであれば、区の独自採用で、しっかりと雇用を守った状態として、板橋の教育を下支えする人材を採用することは選択肢の一つではないでしょうか。当然ながらコスト面は大きな課題であり、研究検討する必要はありますが、「教育の板橋」を実現するには、まずは教育環境、教職員の充実が不可欠です。

4-2杉並区の事例を参考にして、区採用の教員制度の実施を検討していただきたいが、見解を伺います。

最後に地域課題について伺います。

板橋駅西口周辺地区まちづくり勉強会は令和3年3月までに16回実施されました。7月からは「板橋駅西口周辺の未来を考えるワークショップ」が始まり、地域の方々から様々な要望が寄せられております。板橋駅西口には、現状は公衆トイレ、自転車駐輪場、公衆喫煙所が設置されていますが、特に地域から強く期待されているのがトイレの再設置と交番の設置であり、少なくとも現状のサービスを低下させることにはならないよう、要望いたします。

5-1トイレ、公衆喫煙所、交番の設置を要望いたしますが、見解を伺います。

次にJR板橋駅西口ロータリーの設計について伺います。今年度から詳細な設計が始まると伺っております。JR板橋駅が今後、板橋の玄関口としてふさわしい、活気あふれるにぎわい拠点となるよう、期待しております。そこで、街の発展とともに駅前の公共物のニーズも変わっていくことが予想されます。将来的にJR板橋駅がさらに発展した際に、大幅な改修をすることなく、公共施設を設置できるような柔軟な設計が必要と考えます。また、9月上旬には各地で祭礼が行われました。西口ロータリーで櫓を組むなどのイベントにも活用できるような広場になることを要望いたします。

5-2今後の整備に備えた設備を敷設しておくこととともに、お祭りやイベントで使えるような設計を希望しますが、見解を伺います。

次に花づくりグループ支援事業について伺います。花づくりグループは、区民3名以上で登録し、公園の花壇を地域の方々に開放し、花づくりを楽しんでいただきながら公園を美しくすることを目的としています。板橋区内に85グループが存在しており、私の地域でも例えば東板橋公園のグループの方々が、花々を植えられて公園を美しくしていただいております。しかし、年26回も活動を依頼されているなかで、提供されているのは年2回の苗だけで、スコップなどの資材は自前です。道具をしまうロッカーもありません。作業が終わった後のお茶菓子代も自腹となっています。せっかく地域の公園を美しくしていただいているボランティアの皆様に、+αの支援はできないのでしょうか。

5-4花づくりグループに何らかのサポートをして頂きたいですが、見解を伺います。

最後に私道助成について伺います。令和4年第三回定例議会において、私道の手すりの補修について、助成制度を提案いたしましたところ、区長からは高齢者等の安全性の確保の観点から手すりの設置助成について制度設計の検討を進めるとの、大変前向きな答弁をいただきました。その後制度が設計され、費用の1/2を助成する制度が確立されました。区の迅速なご対応に大変感謝しております。しかし、残念ながら、PRの面で少々課題があると感じております。区のHPでは見つけづらい状況であり、さらなる広報をお願いします。

5-5私道の手すり助成のその後の状況と、広報について伺います。

以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。